貿易管理制度

最終更新日:2023年12月20日

管轄官庁

貿易地域統合省、歳入省、税関委員会、財務省、エチオピア食品・医薬品庁、農業省など。

貿易地域統合省(Ministry of Trade and Reginal Intergration外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※2021年10月に貿易産業省(Ministry of Trade and Industry)から工業省(Ministry of Industry)を分離して再編。
問い合わせ先は、内容によって異なる(問い合わせ先:Contact us外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

歳入省(Ethiopian Ministry of Revenues外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

郵便:Addis Ababa, P.O. Box 2559
E-mail:info.mor@mor.gov.et

※2018年11月に前身の歳入関税庁(Ethiopian Revenue and Customs Authority)が省に格上げされて設立。

税関委員会(Ethiopian Custom Commission外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※2018年11月に歳入省傘下で改組。

財務省(Ministry of Finance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

郵便:Addis Ababa, P.O. Box 1905
Tel:+251-11-155 2015
Fax:+251-11-155 5189
E-mail:infopr@mofed.gov.et

※2018年11月に前身の財務・経済協力省が改組。

エチオピア食品・医薬品庁(Ethiopia Food and Drug Authority: EFDA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:02/03 kebelle, 02 House number, Africa Avenue, near Wolosefer, Kirkos sub city
Tel:+251-11-552-4122
E-mail:contactefda@efda.gov.et

※2018年8月に前身の食品・医薬品・保健行政監督庁(FMHACA)が改組。

農業省(Ministry of Agriculture外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:Gurd Shola (Near to Century Mall) on the way to Egzher Ab, Addis Ababa
Tel:+251-11-646 0746

輸入品目規制

輸入について、ドラッグ、武器、ポルノ雑誌等の社会倫理的に有害と考えられるものを除き、原則的に輸入禁止、輸入割当などの制限はない。

貿易地域統合省は輸入と輸出に関して禁止、制限する権限を持っている。若干の国内製品と競合する場合、輸入に制限がある。

輸出入禁止品目

  1. 法令または国際法により禁止されているものは輸出、輸入、通関することはできず、特別な手続きなしで積戻しまたは没収される。
  2. 麻薬、古着、ポルノ商品、武器・弾薬、通常の銀行決済を通していない商業的取引製品。

輸出入規制品目

  1. 法令または国際法により制限されているものは、定められた手続き、または条件を満たさない場合、決定が下るまで税関に留置される。
  2. 医薬品・医療機器、食品・食品添加物、化粧品、動物医薬品・飼料、通信機器、電波を発生する装置、自動車

輸入地域規制

輸入地域について、特に規制を設けていない。

輸入関連法

税関公布 No.859/2014は、2019年に一部修正(No.1160/2019)された。

エチオピアの関税に関する布告構成の主要部分は次のとおり。

  1. パート1、2:定義、原則等
  2. パート3:申告(第1章)、通関手続き(第3章)、税関倉庫における手続き(第8章)、輸出加工等に関する関税手続き(第9章)、電子通関手続き(第12章)、関税手続きの簡素化(第13章)
  3. パート4:関税額評価(第1章)、関税分類(第2章)、事後調査(第3章)、免税措置(第7章)
  4. パート6:関税歳入庁(ERCA、現・歳入省)および関係者の権限と義務(第1、2章)、苦情処理(第3章)
  5. パート8:税関および保税倉庫設置に関する事項

官報2014年12月9日付(Proclamation No.859/2014:Customs Proclamation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(4.2MB))(アムハラ語、英語)
官報2019年9月30日付(Proclamation No.1160/2019:Customs Amendment Proclamation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(9.8MB))(アムハラ語、英語)

輸入管理その他

輸入許可書を取得するには、エチオピアの商業銀行に申請書とともに、輸入代金支払方法や支払いのための必要書類を提出し、関係書類が確認される。なお、中国からの輸入品には船積前検査が適用される。

輸入ライセンスの取得

貿易地域統合省のビジネス・ライセンス局が、商業登記およびビジネス・ライセンスの更新業務とともに、貿易関連の輸出入ライセンスの発行を担当。
通常は窓口の担当者が承認権限を持つが、複雑な案件は局長が担当。

外国から輸入して国内外で販売をする業態、または輸出を行う場合は輸入ライセンス/輸出ライセンスの取得が必要。
なお、外国人には基本的に、製品の輸入販売または輸出を行う商業活動が認められていない。

他方、エチオピア国内で物品を製造し、国内外で販売する業態の場合、ビジネス・ライセンスが発行されている限りにおいて、輸入ライセンス/輸出ライセンスの取得は不要。
製造に必要とされる原材料、資機材の輸入や完成品の販売は、ビジネス・ライセンスで認可された活動に付随するものと解釈され、輸出入ライセンスは不要。

輸入ライセンスの取得手続き

エチオピア中央銀行(NBE)によれば、輸入ライセンスは、貿易地域統合省(貿易登録・ライセンス局)が発行するが、輸入業者は輸入手続きの一環として次のプロセスを経る。

  1. 輸入業者は、NBEから「NBEナンバー」を取得し、取引先の国営/民間商業銀行に提出する。
  2. 輸入業者は当該国営/民間商業銀行の審査を経て、外貨割当許可書(for ex permit)を受けた後に、前払いやL/C 発行等の申請を行う。外貨割当許可書の写しは、当該国営/民間商業銀行がNBE、税関および輸入業者に提出。
  3. 輸入貨物が荷揚げされると、輸入業者は当該国営/民間商業銀行より貿易書類を受領し、その後、通関手続きを行う。

これらプロセスは輸入取引ごとに、NBEナンバー、外貨割当許可書ナンバー、通関ナンバーが採番され、すべてデータベースで管理されている。
輸入貨物が荷揚げされないなど不履行となった場合、NBEはデータベースを通じて、それを把握することができる。
不履行となった場合、輸入業者には理由説明の機会が与えられ、合理的な理由があると認められれば、一定期間の猶予の後、再度輸入ができる。

貿易手続きのシングル・ウィンドウ(ESW)

輸出入手続きの電子化窓口が2019年に開設され、稼働中(ESWウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

品質標準適合性チェック

貿易地域統合省からの要請でエチオピアに輸入される品目につき、品質標準適合性チェックが必要。
対象分野は次のとおり。

  1. 食品および加工食品
  2. 化学品
  3. 繊維、皮革、プラスチック、ゴム
  4. 建設資材
  5. 電気および電子製品

検査の委嘱を受けているのは国際検査会社のINTERTEK、Bureau Veritas。
検査に合格した案件については合格証(Certificate of Conformity)が発行され、輸入申告における必要書類となる。
※当該検査のほかに、中国からの輸入には「船積前貨物検査」が必要。

  1. エチオピア規格協会(IES)の規格を満たさないといけない輸入品も存在する。

    エチオピア規格協会(Institute of Ethiopian Standards:IES外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  2. 医薬品関係については、エチオピア食品・医薬品庁(EFDA)に登録しなくてはならない。
    輸入品か否かにかかわらず、EFDAで正式に登録されていないものは使用禁止。
  3. 種子類を含め植物および植物性産物を輸入する際は、農業省の承認が必要。
    寄生・感染等のおそれのある植物やその他のものを輸入する場合は、すべて検疫の対象。

輸入手続き

エチオピアへの物品輸入を望む輸入者は、商業銀行を経由して支払わなければならない。
5,000ドルを超えるすべての支払は信用状決済、または一括払い荷為替手形で行わなければならない。
中国から輸入品のすべてには、船積前事前検査が適用されるが、中国以外の輸入品、または輸入者と供給者(輸出者)が船積前検査に同意した場合を除き、船積前検査は必要ない。

中国からの輸入手続き

中国からの輸入品すべてについて、貿易地域統合省は中国輸出入商品検査検験局(CIQ)との取り決めで、船積前に事前検査を実施し、品質証明書が発行される。事前船積検査の必要条件は次のとおり。

  1. 事前船積検査は2007年1月以降、中国から購入される物品すべてに有効に実施されている。
  2. 事前船積検査証明書は、中国からの輸入物品への支払に要求される書類の1つである。
  3. 事前船積検査証明書は、2,000ドルを超える中国からのすべての輸入購買に必ず必要とされる。
  4. 銀行は、信用状に本条件を挿入することが、また発注書にはCIQの検査要請を明確に記載することが求められる。
  5. 銀行は、中国から輸入された物品にCIQ証明書なしで、書類を引き受けることはできない。

輸出品目規制

主食用穀物のテフ(Teff)以外は規制なし。

テフは価格高騰を受け、2006年から輸出禁止の措置が取られていたが、生産力増加により、2015年に部分的に解除された。

輸出地域規制

特になし。原則として、国連安全保障理事会決議による制裁の対象国。

輸出関連法

特になし。

輸出管理その他

輸入と同様、輸出ライセンス取得手続きをデータベースで管理。コーヒー豆や一次産品取引所で取引される農産物の輸出契約は、貿易地域統合省に登録し承認を得る必要がある。

輸出ライセンスの取得

輸出に際しても、輸入とほぼ同様の手続きを取ることとなり、一連のプロセスがデータベースで管理されている。

農産品の輸出契約登録

コーヒー豆を含む一次産品取引所(Ethiopia Commodity Exchange)で取引される農産品の輸出契約は、原則として仕入れ価格以上で輸出することが必要であり、輸出契約は貿易地域統合省に登録して承認を得る必要がある(貿易産業省令12/2012。アムハラ語。2019年10月23日施行)。

2020年1月21日付ジェトロの記事「コーヒー豆など農産品の輸出契約の政府登録を義務付け