関税制度

最終更新日:2023年12月20日

管轄官庁

歳入省、税関委員会が徴収実務を担う。財務省は主に制度設計を担う。

歳入省(Ethiopian Ministry of Revenues外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

郵便:Addis Ababa, P.O. Box 2559
E-mail:info.mor@mor.gov.et

※2018年11月に前身の歳入関税庁(Ethiopian Revenue and Customs Authority)が省に格上げされて設立。

税関委員会(Ethiopian Custom Commission外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※2018年11月に歳入省傘下で改組。

財務省(Ministry of Finance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

郵便:Addis Ababa, P.O. Box 1905
Tel:+251-11-155 2015
Fax:+251-11-155 5189
E-mail:infopr@mofed.gov.et

※2018年11月に前身の財務・経済協力省が改組。

関税率問い合わせ先

税関委員会のほか、貿易手続きのシングルウィンドウ(ESW)上でも確認できる。

関税体系

閣僚評議会制定関税徴収規則No.518/2022による。

品目分類

HS品目分類

関税の種類

従価税

課税基準

閣僚評議会制定関税徴収規則No.518/2022による。

閣僚評議会制定関税徴収規則No.518/2022で次のとおり定められている。

  1. 計算の基礎になる課税標準は、商品価格、保険、運賃のすべてを加算した総額(CIF価格)とする。
  2. 関税は、関税免除特権を持たないすべての人々および事業体が、輸入時に支払う。
  3. 関税率は0~35%で、平均17%。
    近年、エチオピアは広い分野で輸入関税率を下げているが、自動車のように、特定の品目では極めて高いものもある。その他国内税はすべての輸入品に課せられる。

対日輸入適用税率

通常税率。優遇はない。

特恵等特別措置

エチオピアは後発開発途上国(LDC)のため、日本への輸入に際しては特別特恵措置(LDC特恵措置)適用国として通常の特恵品目に加え、LDCにのみ適用される特別特恵対象品目(2,431品目)について、無税・無枠の措置が供与される。

東南部アフリカ市場共同体(COMESA)加盟国からの輸入品には、0~31.5%の特恵関税(貨物の種類による)を適用。

関連法

特になし。

関税以外の諸税

物品税、付加価値税、付加税、源泉徴収税

  1. 関税(0~35%)、物品税(5~500%)、付加価値税(通常15%)、付加税(一部の品目を除き10%)、源泉徴収税(通常2~3%)の総合計額を、輸入時の支払額とする。
  2. 指定品(例えばタバコ)などには物品税が、また多くの輸入品に付加税(10%)や付加価値税(15%)が課せられる。物品税法は2020年2月13日に改定された。
  3. 課税標準は次のとおり。
    1. 物品税(Excise Tax):CIF価格+関税
    2. 付加価値税(VAT):CIF価格+関税+物品税
    3. 付加税(Surtax):CIF価格+関税+物品税+付加価値税
    4. 源泉徴収税(Withholding Tax):CIF価格
  4. 付加価値税(VAT)は、入力(Input)VATとして出力(Output)VATに対する相殺の対象(仕入税額控除)であり、源泉徴収税は前払(法人)所得税の役割を果たすという意味では、日本の消費税や源泉徴収税と同様だが、その還付については税務調査の対象となる。
  5. 輸出税は、原則なし(例外:生皮150%)。

その他

再輸出免税等の制度が存在するが、制度の構造が複雑で、手続きに時間を要することから、十分に利用されていない。

WTO加盟国ではないが、再輸出免税等の制度は存在。
輸出促進を目的とした、輸出向け製品の原材料輸入にかかわる免税、通関手続きの簡素化に向けた関税還付制度、バウチャー制度、保税工場システム等のスキームを有している。
しかし、制度の構造が複雑、手続きに時間がかかる等の理由で、十分に利用されていない。

  1. 関税払い戻しスキーム
    投資家は、輸入品ならびに輸出品の生産に使用するエチオピア国内で購入した原材料に課税される関税およびその他の税の支払いを免除される。関税およびその他の税は、完成品の輸出後100%払い戻しされる。
  2. バウチャースキーム
    バウチャーとは、金銭的価値を持った印刷物で、原材料の輸入に課税される関税およびその他の税の代わりとして使用され、輸出業者もバウチャースキームの受益者となっている。
  3. 保税工場スキーム
    バウチャースキームの対象ではないが、保税品の許可を取得している生産者は原料を免税で輸入するにあたって、保税工場を経営することが認められる。
  4. 輸入品に課税される関税およびその他の税を支払うことなく輸入された投資資本財は、他の投資家に譲渡される場合でも同様の優遇措置を受けることができる。
  5. 投資家への関税免除のインセンティブ適用対象は、機械装置等資本財、建設資材、交換部品(ただし、資本財の総額の15%が上限、工業団地内の完全な輸出企業にあっては資本財総額の100%が上限)、投資先事業の運営に必要な自動車、輸出品の生産に必要な原材料、工業団地の居住者が輸入する日用品など。

関税が免除となる投資分野(資本財および建築材が対象)

製造業
  1. 食品産業
  2. 飲料産業
  3. 織物・織物製品産業
  4. 原皮・皮革製品産業
  5. 木製品産業
  6. 紙・紙製品産業
  7. 化学薬品・化学製品産業
  8. 基礎薬品産業・薬剤産業
  9. 天然ゴム・プラスチック製品産業
  10. その他の非金属・鉱産物工業
  11. 卑金属工業(鉱物採掘を除く)
  12. 金属製品工業(機械および設備を除く)
  13. コンピュータ・電子工学および光学製品工業
  14. 電気製品産業
  15. 機械器具工業
  16. 車両・トレーラー・セミトレーラー産業
  17. 事務所用・家庭用調度品の製造
  18. その他の設備の製造
  19. 農業に関連した統合生産
農業
  1. 作物の生産
  2. 家畜の生産
  3. 混合農業(家畜と作物)
  4. 林業
情報通信技術(ICT)
発電、送電、電力の供給
ホテル、観光業
  1. 星付きホテルおよびリゾート、モーテル、ロッジ、レストラン
  2. 第1等級観光運営
  3. 第1等級未満の観光運営
建設請負業
  1. 第1等級の建設、井戸および鉱物の探査、掘削の請負
  2. 第1等級未満の建設、井戸および鉱物の探査、掘削の請負
教育、研修
  1. 独自の建物を建設し幼稚園、初等および中等教育を行うこと。
  2. 独自の建物を建設して中等および高等教育を行うこと。
  3. 技術研修および職業訓練サービス(スポーツを含む)
医療サービス
  1. 独自の建物を建設して診療サービスを行うこと。
  2. 独自の建物を建設して病院サービスを行うこと。
建築および土木作業、それに関連する技術的サービス、技術検査および分析
資本財のリース(動力車のリースは除く)
輸入業
  • LPGおよびビチューメンの輸入