税制

最終更新日:2024年03月03日

法人税

法人税は、年間売上高に応じて課税(年間売上高が1億ナイラ以上:30%、2,500万ナイラ超~1億ナイラ未満:20%、2,500万ナイラ以下:0%)。

ナイジェリア企業は、法人所得税法(Companies Income Tax Act Cap.C21 LFN 2004、財政法2019、2020、2021により改正)(CITA)および財政法(Finance Act 2019)の規定に基づき、ナイジェリアにおいて発生し、由来し、持ち込まれ、または受領した利益に対し、年間売上高に応じて、以下のとおり課税される。
年間売上高が1億ナイラ以上:30%
年間売上高が2,500万ナイラ超~1億ナイラ未満:20%
年間売上高が2,500万ナイラ以下:0%

新設会社は、営業開始から6カ月以内に法人税登録を連邦税務局(Federal Inland Revenue Service:FIRS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で行い、納税者識別番号(Tax Identification Number:TIN)を取得する必要がある。新設会社は、その後、会計年度ごとに、FIRSから納税完了通知を取得する。

二国間租税条約

日本とは未締結。ベルギー、カナダ、中国、チェコ、フランス、イタリア(航空会社および運送業のみ)、パキスタン、フィリピン、ルーマニア、スロバキア、南アフリカ共和国、オランダ、英国、シンガポール、スペイン、スウェーデンと締結。

その他税制

法人税の他、連邦政府が課す主な諸税がある。このほか、州、地方政府レベルの税制で、別途課税されることがある。

法人税の他、連邦政府が課す主な諸税は、次のとおり。

  1. 付加価値税(VAT):7.5%

    新設会社は、付加価値税法1993年(Value Added Tax Act 1993、2004年改正)の規定に基づき、営業開始から6カ月以内に付加価値税登録をFIRSにて行う必要がある。

    同法にて適用除外と特に定められた品目を除き、すべての物・サービスに7.5%のVATが課される。低所得者層への影響を緩和するため、付加価値税法(2014改正)および付加価値税法修正令(2020年)で対象外品目が定められている。
    輸入の場合は、原価、保険、輸送費、関税その他輸入した機械や設備にかかるすべての費用の合計額に基づき、VATが計算される。

    さらに、新設および既存の会社は、その監査人を通じて、VATの月次報告書をFIRSで税務署に送付することになっている。

  2. 高等教育税(Tertiary Education Tax):3%

    高等教育信託基金法(2011年、2021年改正)に基づき、計算された課税所得の3%を高等教育税として納めるものと定めている(2023年改正財政法26条)。年間売上高が2,500万ナイラ以下の企業については免除。

  3. デジタル税(Digital Tax):6%

    デジタルサービスを提供し、ナイジェリアにおいて重要なプレゼンスを有する企業は、6%をデジタル税と納めるものと定めている。重要なプレゼンスを有すると認められる場合は、年間2,500万ナイラの総売上高があることを意味する。

  4. キャピタルゲイン税(Capital Gains Tax):10%
    キャピタルゲイン税法(2011年)に基づき、課税対象資産の処分から実現した利益/キャピタルゲインの10%を課される。この税金は、現地法人が資産の処分を行い、そこから利益が発生した場合にのみ支払われる。2023年の法改正に伴い、暗号資産を含むデジタル資産の売却益に対しても10%の課税対象であることが明確化された。
  5. 産業教育基金(Industrial Training Fund:ITF):1%

    産業教育基金法(The Industrial Training Fund Act Cap.I9 LFN 2004 (その改正を含む))に基づき、5人以上の従業員を有する、または5人に満たない場合も、年商5,000万ナイラの会社は、年間給与合計額の1%を暦年ごとにITFに納付する。

  6. 個人所得税(Personal Income Tax):最高24%(累進課税)

    新設会社は、税務当局に登録して、個人所得税法2004年(Personal Income Tax Act Cap.P8 LFN 2004(その後の改正を含む))に基づく源泉徴収規制(Pay As You Earn (“PAYE”) Regulations)に従い、従業員の所得から個人所得税を差し引いて、税務当局に納める。

    年間給与総額(ナイラ):税率

    1. 300,000以下:7%
    2. 300,001~600,000:11%
    3. 600,001~1,100,000:15%
    4. 1,100,001~1,600,000:19%
    5. 1,600,001~3,200,000:21%
    6. 3,200,001以上:24%
  7. 印紙税:500ナイラの名目税率または0.15~6%の重課税率
    協定書、契約書、約束手形などの文書に課される。
  8. 源泉徴収税:10%
    配当、家賃、利息、ロイヤルティー、手数料に対して10%の税率で適用される。また、個人に支払われる配当金、家賃、利子、ロイヤルティーについても10%の税率が適用。手数料と契約金に関しては、個人に対して5%の税率が適用、法人に支払われる代理店手数料の契約金に対しても5%の税率が適用される。配当金、利子、ロイヤルティーの受取人が南アフリカ、中国、シンガポール、スウェーデン、スペインの納税者である場合、7.5%の軽減税率が適用。
  9. 年金基金積立金:10%以上(雇用主負担分)
    ※官公庁および被雇用者15人以上の民間企業

    年金改革法(Pension Reform Act No. 2 of 2004)に基づき、15人以上の従業員を有するすべての会社は、拠出年金制度を整備しなければならない。
    同制度では、雇用者は各従業員の毎月の給与総額(雇用契約書に定める給与総額。基本給、住宅手当、交通費の合計額以上)の最低10%を、被雇用者は8%を拠出金とする。会社が選択する年金基金管理会社(Pension Fund Administrator:PFA)が運用する退職貯蓄口座(Retirement Savings Account:RSA)に支払う。

  10. 社会保険信託基金(National Social Insurance Trust Fund):1%

    被雇用者補償法2010年(Employees’ Compensation Act 2010)に基づき、雇用主は毎月の給与合計額の1%を、National Social Insurance Trust Fund Management Boardが運用する被雇用者補償基金に拠出する。

  11. 国家住宅建設基金(National Housing Fund):2.5%

    国家住宅建設基金法2004年(The National Housing Fund Act Cap.N45 LFN 2004)に基づき、年間基本給の合計が3,000ナイラ以上の従業員を有する雇用主は、月額給与額の2.5%を、その従業員の国家住宅建設基金拠出額として控除する。

The Chartered Institute of Taxation of Nigeria:CITN外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ調査レポート「ビジネス関連法制度ガイドブック(ナイジェリア)(2014年3月)