関税制度

最終更新日:2023年10月31日

管轄官庁

歳入庁

関税率問い合わせ先

歳入庁

歳入庁(National Board of Revenue:NBR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:Rajashwa Bhaban, Plot#F 1/A Agargaon, Sher-E-Bangla Nagar, Dhaka.
Tel(代表):+880-2-222217700-09
E-mail:feedbacktax@nbr.gov.bd, feedbackvat@nbr.gov.bd, feedbackcustoms@nbr.gov.bd

関税局(Bangladesh Tariff Commission

所在地:1st 12 storied govt office building 10th and 12th floor, Segunbagicha, Dhaka-1209
Tel:+880-2-9340209
Fax:+880-29340245
E-mail:info@btc.gov.bd

アピールオフィス(Appeal Office

E-mail:chairman@btc.gov.bd

関税体系

バングラデシュの輸入関税(輸入時の諸税含む)には、一般関税、調整税、補足税、付加価値税、前払い所得税、前払い税などがある。

輸入時に課税される諸税は、次のとおり。

  1. 一般関税(Custom Duty:CD):2~5%、10%、25%に分かれる。
  2. 調整税(Regulatory Duty:RD):3~35%で、課税されない品目あり。
  3. 補足税(Supplementary Duty:SD):10~500%。地場産業保護の対象品目が高い税率で、課税されない品目あり。
  4. 付加価値税(Value Added Tax:VAT):15%。課税されない品目あり。
  5. 前払い所得税(Advanced Income Tax:AIT):2%または5%で、課税されない品目あり。
  6. 前払い税(Advance Tax on Import):5%。課税されない品目あり。

税関のウェブサイトで、HSコードおよび品目にて関税の課税率を確認することができる。
Bangladesh Customs:Duty Calculator外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

課税方法の参考例
(調整税、補足税、付加価値税、前払い所得税、前払い税がすべて課税される場合)
※課税ベース価格は、商品価格を100とする。
関税区分 課税方法
商品価格(C&F価格) 100.00(P)
保険(C&F価格の1%) 1.00(Q=P×0.01)
陸揚げ費用(CIF価格の1%) 1.01(R=(P+Q)×0.01)
課税ベース価格 102.01(S=P+Q+R)
一般関税(CD=25%) 25.50(A=102.01×0.25)
調整税(RD=5%) 5.10(B=102.01×0.05)
補足税(SD=250%) 331.53(C=(102.01+A+B)×2.5)
付加価値税(VAT=15%) 69.62(D=(102.01+A+B+C)×0.15)
前払い所得税(AIT=5%) 5.10(E=102.01×0.05)
前払い税(AT=5%)(注) 29.39(F=(102.01+A+B+C)×1.2667×0.05)
陸揚げ価格(総合計) 568.25(102.01+A+B+C+D+E+F)

(注)VAT登録のある輸入者については、前払い税の支払いから3カ月以内に、税関に対し前払い税の相殺・還付処理を行うことが可能。
また、VAT登録のない者は、前払い税の支払いから120日以内であれば、税関に対し還付の請求を行うことができる。

品目分類

HS分類(1988年7月1日より)

関税の種類

従価税、ただし、純金など一部の品目については従量(単位)関税を適用。

課税基準

ドル建て評価。中古車など一部品目は歳入庁が設定した関税価格、その他は輸入者より提示のインボイス価格。

一部の品目については、歳入庁により設定された関税価格がある。これらの品目の輸入関税は、関税価格に基づいて課税される。
関税価格が設定されてない品目の場合は、輸入者により申告されたインボイス価格に基づき課税額が査定される。しかし、歳入庁はこれらの品目に対する登録価格を準備しており(インボイスのアンダーバリューを防止するため)、査定時に、歳入庁は申告価格をこの登録価格と比較する。
船積前検査が必要とされる輸入品目は、認可された船積前検査機関(OMIC社など)より提供された船積前検査証明書に基づいて、課税額が査定される。

対日輸入適用税率

一般税率と品目により補足税、付加価値税などが加算。

特恵等特別措置

南アジア自由貿易地域(SAFTA)枠組み協定、SAFTA以外の多国間協定、バングラデシュに対する無税アクセス供与国

南アジア自由貿易地域(SAFTA)枠組み協定

2006年1月から発効。加盟7カ国の間で経済状況に応じて、関税引き下げのスピードが異なる。
2007年にアフガニスタンが南アジア地域協力連合(SAARC)の8カ国目加盟国となり、2011年に南アジア自由貿易地域(SAFTA)加盟国となった。

インド、パキスタンは、関税率を2006年1月1日~2007年末までに20%以下に引き下げ、2012年末までに5%以下に引き下げた。
スリランカは、関税率を2006年1月1日~2007年末までに20%以下に引き下げ、2013年末までに5%以下に引き下げた。
バングラデシュ、ネパール、ブータン、モルディブの4カ国は、関税率を2006年1月1日~2007年末までに30%以下に引き下げ、現在は5%以下に引き下げている。

SAFTA以外の多国間協定

  1. アジア太平洋貿易協定(APTA)

    加盟国:バングラデシュ、インド、韓国、スリランカ 、中国、ラオス、モンゴル
    適用品目および特恵幅:598分類について、一般税率の10~70%(General Concessions)、4分類について、20%または50%(Special Concessions

    UNESCAP:バングラデシュ適用品目リスト(Bangladesh General Concessions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(1807KB))(Bangladesh List of Special Concessions to Least Developed Countries外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(45KB)

  2. 南アジア特恵貿易協定(SAPTA)
    加盟国:バングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ
    適用品目および特恵幅:494分類について、一般税率の10~20%

    ※進展が限定的であり、より包括的なSAFTA(前述)に発展した。

  3. ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)
    加盟国:バングラデシュ、インド、ミャンマー、スリランカ、タイ、ネパール、ブータン
    適用品目および特恵幅:協議中
  4. 世界的貿易関税制度(GSTP)
    加盟国:43カ国
    適用品目および特恵幅:22カ国が参加した2010年のサンパウロ・ラウンドにて、11カ国(バングラデシュは含まない)が、全貿易品目の70%を対象に関税を相互に20%引き下げることに合意、署名した。47,000HSコード品目が対象。
    UNCTAD:Global System of Trade Preferences外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  5. Preferential Trade Agreement System among OIC Countries(TPS-OIC)
    加盟国:バングラデシュ、インドネシア、マレーシアほか、アフリカのイスラム教国を中心に42カ国
    適用品目および特恵幅:協議中
    COMCEC:Trade Preferential System Among the Member States of OIC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  6. Preferential Trade Agreement among Developing 08 member countries(D-8)
    加盟国:バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、マレーシア、ナイジェリア、パキスタン、トルコ
    適用品目および特恵幅:協議中
    D-8 Organization for Economic Cooperation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

バングラデシュに対する無税アクセス供与国

  1. EU27カ国:武器を除く、全製品が無税。
    原産地規則:完全生産品または十分に作業または加工されたこと、実質変更基準。
  2. カナダ:割当枠を超過した鶏肉、酪農製品、卵を除く、全製品が無税。
    原産地規則:完全生産品と付加価値基準20~70%(品目によって異なる)。
  3. オーストラリア:全製品が無税。
    原産地規則:完全生産品と付加価値基準25%。
  4. ノルウェー:全製品が無税。
    原産地規則:完全生産品または十分に作業または加工されたこと、実質的変更基準。
  5. スイス:広範囲な製品が無税。
    原産地規則:完全生産品または十分に作業または加工されたこと、実質的変更基準。
  6. ニュージーランド:ネガティブリストに含まれる製品を除く、全製品が無税。
    原産地規則:完全生産品と実質的変更基準。
  7. 米国:大半の繊維製品、腕時計、履物、ハンドバッグ、鞄、布製品、作業手袋、その他皮革製衣類を除く、全製品が無税。
    ※2013年6月27日から米国政府より停止されている。
    原産地規則:実質的変更基準。
  8. トルコ:広範囲な製品が無税。
    原産地規則:完全生産品または十分に作業または加工されたこと、実質変更基準。
  9. 中国:広範囲な製品が無税。
    原産地規則:完全生産品と付加価値基準40%。
  10. 日本:特別特恵関税が適用され、例外品目(コメおよびコメ調製品、一部水産品、でん粉およびでん粉調製品、コーンスターチ用トウモロコシ、砂糖、一部皮革製品)を除く全製品について無税。
    原産地規則:完全生産品と実質的変更基準。
  11. 韓国:肉、魚、野菜、食品などを除く、全製品について無税。
    原産地規則:完全生産品と付加価値基準40%。
  12. チリ:小麦、小麦粉、砂糖を除く、全製品について無税。
    原産地規則:完全生産品と付加価値基準50%。
  13. インド:広範囲な製品が無税。
    原産地規則:完全生産品と付加価値基準30%。
  14. アイスランド:一部の例外を除く全製品について無税。
  15. ロシア:石油製品、大半の繊維製品、革製品などを除く一部製品について無税。
  16. 台湾:広範囲な製品が無税。

WTO:Preferential Trade Arrangements:Bangladesh外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連法

1969年関税法(Customs Act, 1969)、2023年金融法(Finance Act, 2023)

関税以外の諸税

調整税、補足税、付加価値税、前払い所得税、前払い税

その他

特定品目の輸出業者は、輸出補助金(FOB価格ベース)を受けることができる。

輸出補助金対象品目

  1. 繊維(保税倉庫およびDuty Draw Backの代わりに):4.00%
  2. 輸出志向繊維セクターを含むすべての繊維中小企業対象の追加支援(ニット、布はく、セーター):4.00%
  3. 繊維新規マーケット対象(米国、カナダ、英国、EU圏除く):4.00%
  4. EU向け既存の繊維輸出に関しての4%の補助金に対する特別支援:2.00%
  5. 既製服セクターに対する特別現金支援:1.00%
  6. 農産品およびその加工品(野菜・果物等):20.00%
  7. 軽工業品:15.00%
  8. ジュート輸出に対する現金補助
    1. 多様化ジュート製品(Diversified Jute Products):20.00%
    2. ジュートの完成品(ヘシアン(分厚くて粗い麻布)、袋、CBC):12.00%
    3. ジュートコットン(糸および撚糸):7.00%

    (ジュート法2017年に規定される「多様化したジュート製品」の定義に従い、50%以上の付加価値があること)

  9. 原薬(API)の輸出:20.00%
  10. 100%ハラル食品(肉):20.00%
  11. 冷凍エビおよびその他冷凍魚類に対する現金支援(アイスカバー率によって、補助金の率が決まる)
    1. 冷凍エビの場合(アイスカバー率:補助金)
      20%以下:10.00%
      20%超~30%以下:9.00%
      30%超~40%以下:8.00%
      40%超:7.00%
    2. その他冷凍魚類の場合(アイスカバー率:補助金)
      20%以下:5.00%
      20%超~30%以下:4.00%
      30%超~40%以下:3.00%
      40%超:2.00%
  12. 皮革製品に対する現金支援:15.00%
  13. Savarの革製品工業エリアおよびSavar外で排水処理プラントを有する工場が製造するクラフトおよび革製完成品:10.00%
  14. ジャガイモ輸出に対する現金支援:20.00%
  15. ジュート枝から生産されるカーボンおよびパーティクルボード:20.00%
  16. 家具:15.00%
  17. 穀物および野菜の種:20.00%
  18. 沈香、香油:20.00%
  19. 充電式電池(HS Code:8507.10 & 8507.20):15.00%
  20. 合成繊維と混紡生地により製造された履物およびバッグ:15.00%
  21. プラスチック製品:10.00%
  22. 国内で製造された紙、紙製品:10.00%
  23. バングラデシュから輸出されるソフトウエアおよびITES(Information Technology Enabled Services)、ハードウエア:10.00%
    個人のフリーランサーによるソフトウエアおよびITES:4.00%
  24. 船舶:10.00%
  25. 医薬品:10.00%
  26. 手工芸品に対する現金支援:10.00%
  27. 牛・水牛の腱、皮、角および血管(骨除く):10.00%
  28. リサイクルPETボトルチップ(PET FLEX)およびPETボトルチップから製造されたポリエステル短繊維:10.00%
  29. ソーラーパネル:10.00%
  30. バイク:10.00%
  31. 化学製品:10.00%
  32. カミソリ:10.00%
  33. 陶磁器:10.00%
  34. 帽子:10.00%
  35. カニ類:10.00%
  36. 亜鉛メッキシートおよびコイル:10.00%
  37. 家電製品:10.00%
  38. 米:15.00%
  39. 特区(BEZA、BEPZA、ハイテクパーク)内の事業所向けの輸出補助金(FE Circular No.34/2021)
    1. 第1段落(a)に基づく関連通達に基づく輸出補助金(2020年1月7日付のFE Circular No.1に基づく縫製セクターへの特別現金支援を除く):4.00%
    2. 第1段落(b)に基づくタイプAおよびタイプBの企業による製造された農産物加工品:4.00%
    3. 第1段落(a)に基づく2020年1月7日付のFE Circular No.01による縫製セクターへの特別現金支援および(c)に基づくすべてのカテゴリーの事業場の他製品:1.00%
  40. 国内で生産される茶:4.00%
  41. 国内で製造される自転車およびその部品:4.00%
  42. 国内で製造される軟鋼:4.00%
  43. 国内で製造されるスレート:4.00%

中央銀行:FE Circular No.26(2022年9月19日付)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(96KB)(ベンガル語)