貿易管理制度

最終更新日:2023年05月08日

管轄官庁

商工省外国貿易政策局、商工省輸出入局

商工省外国貿易政策局

Phonexay Road, Ban Phonexay, Saysettha District, PO Box 4107
Vientiane Capital, Lao PDR
Tel:(+856)-(0)21-450-066
Fax:(+856)-(0)21-450-066

商工省輸出入局(Department of Import and Export (DIMEX), Ministry of Industry and Commerce

Phonexay Road, Ban Phonexay, Saysettha District, PO Box 4107
Vientiane Capital, Lao PDR
Tel:(+856)-(0)21-452-452
E-mail:ltpenquiry@moic.gov.la
ウェブサイト:LAO PDR Trade Portal 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

輸入品目規制

輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号により、12項目の輸入が禁じられている。
輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)で定められる品目や一部の品目については、管轄する省庁から輸入許可の取得が必要。

輸入禁止品目

輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号(2021年9月13日付)により、次の12項目の輸入が禁止されている。

  1. 商工省が定める危険な工業用化学品(第1種)
  2. 弾丸および兵器、戦闘用車両、火薬、花火
  3. 麻薬およびその派生物
  4. 卑猥な印刷物、国家や社会維持秩序を乱す印刷物
  5. 紙幣用紙・紙幣印刷用インク・紙幣印刷機・貨幣製造機、国債印刷機
  6. 電気電子機器の廃棄物
  7. 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約で禁止された水生・陸生動物
  8. 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約で禁止された森林産物
  9. 放射性鉱物
  10. 高度に危険な農薬
  11. 通信妨害機器、SIMボックス、スパイフォン
  12. 電子タバコ、葉巻

商工省:輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号(2021年9月13日付)
"The Decision to prohibit import and export products, No. 0848/MOIC, date 13 September 2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

輸入承認・許可品目

商工省が発出した輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)に定められている次の品目は、商工省輸出入局もしくは関連当局より、輸入許可の取得が必要。ただし、本品目以外にも、家畜・畜産製品、畜産飼料、肥料、農作物などの植物検疫対象品目、食品、印刷物、ICT関連機器など管轄する省への輸入許可取得が必要な場合があることから注意が必要。現在、ラオス政府は貿易円滑化の観点から、このような品目の整理と見直しを実施している。詳細はジェトロの記事「貿易円滑化のためのアクションプランを発表(2020年7月21日)」を参照。

表1 輸入許可の取得が必要な品目-:該当なし
品目 該当HSコード 管轄省庁
武器類(スポーツ競技や練習用の銃および銃弾) 9302
9303
9304
治安維持省
産業用爆発物(爆発用機材、爆発物、花火) 3601
3602
3603
3604
国防省
地金(支払方法として国際的に承認されているもの) 7108 ラオス中央銀行
賭博用ゲーム機(スロットマシン、ルーレットなど) 9504 情報文化観光省
医薬品および医療品 9018~9023 保健省
麻薬および向精神薬 保健省
エンジン付き陸上車両(2輪、3輪、4輪以上) 8701.20
8702
8703
8704
8705
8711
商工省
石油(ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、重油等) 2710.12.11
2710.12.14
2710.12.20
2710.19.71
2710.19.79
2710.19.83
商工省
LPガス 2711 商工省
丸太、幹、樹皮、半加工木材 0601
4401
4403
4406
4407
商工省
ダイヤモンド原石 7103.10
7103.21
7103.31
商工省
コメ 1006 県・都商工局
商工省が定める危険な化学品(第2種および第3種) 商工省
農林省が定める森林産物(第2種) 都・県農林局
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)が定める動植物(附属書ⅡおよびⅢ) 農林省
農林省が定める農薬(危険度:低および中) - 都・県農林局
放射性鉱物以外の鉱物および鉱物製品 - エネルギー鉱山省

商工省:輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)
"Decision on Goods subject to licensing prior to import or export no. 0333/MOIC, dated 22 March 2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

輸入・関税割当品目

原則として、割当を含む輸入の数量制限を適用しないというWTOのルールを遵守しており、輸入・関税割当は実施していない。

輸入地域規制

国連安全保障理事会決議に基づく、経済制裁対象地域・禁輸措置対象地域のみ。

輸入関連法

商品の輸出入に関する政府令114号(2011年4月6日付)、輸出入商品の原産地に関する首相令228号(2010年4月22日付)、特権のある原産地証明に関する商工大臣ガイドライン第0588号(2021年7月12日付)、輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号(2021年9月13日付)、輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)、改正関税法(2020年6月29日付)など。

輸入管理その他

2013年のWTO加盟に伴い、衛生植物検疫(SPS)措置および貿易の技術的障害(TBT)措置を実施。また、ほとんどの輸入品に対して輸入許可証・技術証明書の取得が必要。医薬品、化粧品、加工食品については製品登録も義務付けられている。

他法令で定める輸入関連規制

  1. 衛生植物検疫(SPS)協定に基づく措置

    食品・加工食品、農産物、畜産物、水産物、その他植物・植物製品など、衛生植物検疫の対象となる財の輸入には、農林省畜産局あるいは植物検疫局から検疫証明書の取得が必要である。ラオスでは、WTO協定に則りSPS Enquiry Pointを設置しており、詳細についての問い合わせが可能。

    問い合わせ先:SPS Enquiry Point外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    農林省計画協力局経済統合課
    Economic Integration Division, Department of Planning and Cooperation,
    Ministry of Agriculture and Forestry
    Tel:(+856)-(0)21-412-342(農林省事務次官室)
    Fax:(+856)-(0)21-451-715
    E-mail:spsenquiries@moic.gov.la

  2. 貿易の技術的障害(TBT)協定に基づく措置

    セメント、鉄鋼などの建設資材や石油、その他対象となる財の輸入には、商工省発行の技術証明書の取得が必要である。SPSと同様に、TBT Enquiry Pointが設置されている。

    問い合わせ先:TBT Enquiry Point外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    商工省標準化計測局基準課
    Standards Division, Department of Standardization and Metrology,
    Ministry of Commerce and Industry
    Tel:(+856)-(0)21-732-371
    E-mail:tbtenquiries@moic.gov.la

日本から輸出する際の船積前検査(Pre-Shipment Inspection)の要否

不要(2015年10月21日商工省外国貿易政策局商工省輸出入局へのヒアリング情報)。

セーフガード措置、AD税措置など貿易救済措置の概要

輸出入管理当局は、GATT第19条に従い、200日以下の暫定的セーフガード措置などの貿易救済措置を発動する権利を有する(2017年10月30日付 商品輸入による影響を受ける生産者保護法(No.27/NA))。過去に、豚肉・子豚や、ラオスの伝統的スカート(シン)について、一時的な輸入禁止が発表されたことはあるが、正式な貿易救済措置としての発動事例はない。

輸出品目規制

輸出入禁止品に関する商工省大臣合意第0848号により、7項目の輸出が禁じられている。
木製品の輸出については、森林資源保護の観点から2016年5月より輸出規則の厳格化が進められており、丸太および半加工木製品、ならびに一部の加工木製品の輸出が禁止された。
輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号で定められる品目については、商工省もしくは関連当局より事前の輸出許可の取得が必要。

輸出禁止品目

輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号(2021年9月13日付)により、次の7項目の輸出が禁止されている。

  1. 国家的遺産の物品もしくは一部
  2. バットグアノ(肥料として用いるコウモリの糞)
  3. 天然木由来の丸太、材木、根、枝、樹皮、生木、黒炭
  4. 商工省が定める危険な工業用化学品(第1種)
  5. 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約で禁止された水生・陸生動物
  6. 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約で禁止された森林産物
  7. 放射性鉱物

商工省:輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号
"The Decision to prohibit import and export products, No. 0848/MOIC, date 13 September 2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

木製品の輸出規制の厳格化

森林資源保護を目的として2016年5月13日付で木材伐採、木材輸送、木材ビジネスの管理と監督の厳格化に関する首相命令第15号が発出され、あらゆる半加工・未加工木材の輸出を禁止するという強い措置が取られている。また、加工木製品については、輸出のための木材製品リストの承認に関する商工大臣合意(改正)第0851号(2021年9月14日付)により、植林木製品、天然木製品、竹・ラタン製品については、条件付きの輸出が認められている。該当品を輸出する場合は、事前に商工省輸出入局に相談する必要がある。品目によりサイズ等の規定があることから原文を参照されたい。

商工省:輸出のための木材製品リストの承認に関する商工大臣合意(改正)第0851号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.5MB)
"天然木製品の輸出に関する商工省ガイドライン第0332号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2022年3月22日付)"

黒炭は輸出が禁止されているが、白炭は輸出が可能である。ただし植林地もしくは伐採が許可された回復林から伐採された木材(マイティウ)を原料とする必要がある(商工省大臣合意第0851号付属書2)。また、天然木由来では伐採計画および植林計画の認可を受けなければならないと、輸出のための黒炭の輸送許可の発行停止に関する農林省告示第117号(2022年1月17日付)に規定されている。

輸出承認・許可品目

輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)により、次の品目については、商工省輸出入局もしくは関連当局より、事前の輸出許可の取得が必要。

表2 輸出許可の取得が必要な品目-:該当なし
品目 該当HSコード 管轄省庁
地金(支払方法として国際的に承認された金) 7108 ラオス中央銀行
天然木製品 4401
4408~4421
6414
9401
9403
9404
都・県商工局
植林木および植林木製品 4401
4403~4421
6414
9401
9403
9404
市・郡商工事務所
白炭 4402 都・県農林局
未加工の天然生薬資源 - 保健省
コメ 1006 県・都商工局
ダイヤモンド原石 7103.10
7103.21
7103.31
商工省
商工省が定める危険な化学品(第2種および第3種) 商工省
農林省が定める森林産物(第2種) 都・県農林局
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)が定める動植物(附属書ⅡおよびⅢ) 農林省
放射性鉱物以外の鉱物および鉱物製品 - エネルギー鉱山省

商工省:輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)
"Decision on Goods subject to licensing prior to import or export no. 0333/MOIC, dated 22 March 2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

輸出地域規制

国連安全保障理事会決議に基づく経済制裁対象地域・禁輸措置対象地域のみ。

輸出関連法

商品の輸出入に関する政府令114号(2011年4月6日付)、輸出入商品の原産地に関する首相令228号(2010年4月22日付)、特権のある原産地証明に関する商工大臣ガイドライン第0588号(2021年7月12日付)、輸出入禁止品目に関する商工省大臣合意第0848号(2021年9月13日付)、輸出入に事前に許可が必要な品目に関する通達第333号(2022年3月22日付)、改正関税法(2020年6月29日付)など。

輸出管理その他

原産地証明、植物検疫証明の取得方法について。

原産地証明

ラオスあるいはASEANと特恵関税協定を結んでいる国(※)に輸出する際の原産地規制は、当該協定に準じ、各種の特恵原産地証明書を、ラオス商工省輸出入局原産地証明課あるいは地方当局で申請する。現在、商工省は原産地証明書の発行を県・都レベルで発行するように順次移管を進めている。
※以外の国に輸出する際の原産地証明書は、ラオス商工会議所あるいは地方出張所で申請する。

2016年2月26日付電子原産地証明の発出に関する商工省決定第369号により、原産地証明書の電子申請が可能になった。商工省輸出入局は紙の原産地証明書の場合は申請の受理後2時間以内、電子原産地証明書の場合は1時間以内に発行するとしている。
なお、フォームDなどの電子原産地証明書はアセアン諸国の相手国側が受理しないため電子式で提出・処理が行われても紙媒体で発行されている実態がある。同様に他国からの原産地証明書についても紙媒体が使用されている。
登録・申請サイト:Electronic Certificate of Origin Issuing System外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

自己証明制度(Self-Declaration)についてはASEANおよびEUに対して開始されている。
商工省:自己証明申請書類 "Self Certification Application外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

植物検疫証明

ラオスから農産品等を輸出する際の植物検疫証明書の発行は、農林省農業局および都・県農林局が行う(植物、植物製品、管理原料の輸出・トランジット輸出における植物検疫基準に関する農林省合意2986号(2019年6月28日))。植物検疫を受けるためには以下の条件を満たした上で生産地登録が必要である。

  1. 生産活動に関する書類、発注書、原産地証明書、契約、その他の貿易関係書類があること
  2. 輸入国が定める栽培マニュアルや病害虫対策を行っていること、責任分担が行われていること
  3. 不正や問題の監査や解決方法があること
  4. 職員、専門家、ツールを備えていること
  5. 遡及検査できる仕組みを有すること
  6. 農業局が規定する特定の植物検疫措置をとっていること

また、生産地の監査は、花卉、作物、畜産飼料の場合3年に1度、品種用植物、種子もしくは他の植物製品の場合2年に1度行われる。植物検疫証明書は輸出ごとに規定のフォームと生産地登録証などの必要書類を農林省農業局もしくは県農林局へと申請し、検査を受ける必要がある。