税制

最終更新日:2023年07月24日

法人税

所得税(Impuesto a las Ganancias)

法人所得税(法人税)は1973年法律20628号に規定されている。2021年度より累進化され、課税対象となる所得の金額に応じて25%、30%、35%の3段階の税率が設定された。課税所得額は、国家統計センサス局(INDEC)が公表する前年10月のインフレ率(年率)を基に、毎年1月1日に改定される。配当金に係る源泉税率は7%。

法人所得税率(公共歳入連邦管理庁AFIP決議5168/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2023年1月更新
課税所得額 税率
14,301,209.21ペソ以下 25%
14,301,209.21超から143,012,092.08ペソ以下 30%
143,012,092.08ペソ超 35%

二国間租税条約

アルゼンチンは、20を超える国との間で二国間租税条約を締結している。日本とは2019年6月27日に締結したが、未発効。

条約締結国

発効済:ドイツ、オーストラリア、ベルギー、ボリビア、ブラジル、カナダ、チリ、デンマーク、アラブ首長国連邦、スペイン、フィンランド、フランス、イタリア、メキシコ、ノルウェー、オランダ、カタール、英国、ロシア、スウェーデン、スイス

未発効:オーストリア、中国、日本、ルクセンブルク、トルコ

経済省 "Tributación Internacional外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

その他税制

付加価値税、個人資産税、内国税、金融取引税など。

主要な税の種類

国税:所得税、付加価値税、個人資産税、内国税(奢侈税)、金融取引税など(みなし最低所得税は、2019年1月1日から廃止となった)。
州税および市税:総売上税(業種や各州によって異なるが1.5~4%)、印紙税(1%)。

  1. 個人所得税(Impuesto a las Ganancias
    課税所得に応じて0~35%が課税される。2023年5月の所得税法改正により、1カ月の給与の総額が50万6,230ペソ以下の低中所得者層は所得税が課税されない。
  2. 付加価値税(Impuesto al Valor Agregado:IVA
    消費税に相当。基本税率は21%。品目別の税率は以下のとおり。
    品目別税率
    対象品目・サービス IVA税率
    基本税率 21%
    海外からのデジタルコンテンツサービス 21%
    商業用の通信、電気、ガス、上下水道サービス 27%
    資本財、肉類、果物、野菜、米を除く穀物類、バルク蜂蜜、農薬、小麦粉、パン・菓子類など 10.5%
    書籍、切手、飲料水、生命保険、輸出品、一部の輸入品 0%

    公共歳入連邦管理庁(AFIP)”Cuadros Legislativos/Impuesto al Valor Agregado外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  3. 個人資産税(Impuesto sobre los Bienes Personales
    各年の12月31日時点に、個人が国内外に保有する資産に対して課税。個人資産の評価額に応じて、以下のとおり課税される。非居住者が国内に保有する資産に対しては、0.50%課税される。
    個人資産税の税率
    個人資産評価額(アルゼンチン・ペソ) 個人資産税として支払う固定額 国内の保有資産に対する税率 国外の保有資産に対する税率
    0~5,641,070.54以下 0ペソ 0.50% 0.70%
    5,641,070.54超~12,222,319.51以下 28,205.35ペソ 0.75% 1.20%
    12,222,319.51超~33,846,423.25以下 77,564.72ペソ 1.00% 1.80%
    33,846,423.25超~188,035,684.71以下 293,802.76ペソ 1.25% 2.25%
    188,035,684.71超~564,107,054.14以下 2,221,171.53ペソ 1.50% 2.25%
    564,107,054.14超 7,862,242.07ペソ 1.75% 2.25%

    公共歳入連邦管理庁(AFIP)”Impuesto sobre los Bienes Personales外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  4. 内国税(Impuestos Internos
    いわゆる奢侈税。ぜいたく品とされる製品に課税され、以下のとおり品目により税率は異なる。自動車、二輪車、レジャー用船舶の課税対象価格は四半期ごとに調整され、公共歳入連邦管理庁(AFIP)が発表する。
    品目別税率
    対象品目 税率
    タバコ 20~70%
    アルコール飲料 ウィスキー、スピリッツ、アルコール度数30以上のアルコール飲料 26%
    アルコール度数10~29度のアルコール飲料 20%
    ビール 中小企業産のクラフトビール 8%
    その他 14%
    非アルコール飲料 4~8%
    カフェイン・タウリンを含む飲料 10%
    ぜいたく品 20%
    自動車(税抜販売価格に対して)※ 5,893,963.10ペソ以下 0%
    5,893,963.10ペソ超~10,881,163.65ペソ以下 20%
    10,881,163.65ペソ超 35%
    二輪車(税抜販売価格に対して)※ 2,422,096.41ペソ以下 0%
    2,422,096.41ペソ超~3,105,251.80ペソ以下 20%
    3,105,251.80ペソ超 30%
    レジャー用船舶(税抜販売価格に対して)※ 6,801,355.49ペソ以下 0%
    6,801,355.49ペソ超 20%
    レジャー・スポーツ用飛行機・ヘリコプターなど 20%
    電子機器 5.5%
    携帯電話サービス 5%
    生命保険、動産保険 1~23%

    ※2023年6月1日から8月31日までの対象価格。

    公共歳入連邦管理庁(AFIP)”Cuadros Legislativos/Impuestos Internos外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  5. 輸出入に係る税
    関税(輸入税、輸出税)、統計税、前払い付加価値税、前払い所得税、内国税、前払い総売上税など。詳細は「関税制度」を参照。
  6. 金融取引税(Impuesto sobre los Créditos y Débitos en cuentas bancarias y otras operatorias
    2001年法律25413号に規定。金融機関を通じて行う入金、出金などの取引に対して0.6%が課税される。
  7. 社会的包摂の促進と資金調達のための外貨購入に係る税(Impuesto PAIS
    社会連帯・生産性回復法(2019年法律27541号)に規定。通称「パイス(PAIS)税」。必要緊急大統領令863/2022号により、同税の有効期限が2023年12月31日まで延長された。外貨購入に対して30%が課税される。デジタルサービスの使用料の支払いのみ税率は8%。課税対象は次のとおり。
    • 居住者による貯金目的または目的が明確ではない外貨の購入。
    • 国外での財・サービスの購入に対する支払い。
    • 非居住者から受けたサービスの支払い。
    • 旅行代理店を通じて、国外で契約したサービスの支払い。
    • 国外への空路・陸路・水路の移動用のチケット購入の支払い(隣国への陸路によるチケットの支払いは対象外)。
    • ネットフリックスなどデジタルサービスの利用料の支払い。
  8. 総売上税(Impuesto sobre los Ingresos Brutos
    自律的な経済活動の売上高に対して課税される州税。利益に関係なく、事業の売上高に一定の割合で適用される。課税対象や税率は各州が規定している。