税制

最終更新日:2023年11月10日

法人税

一般法人税の最高税率は34%。

課税対象所得額に応じた一般法人税率が、租税単位(Unidad Tributaria:UT)により3段階に設定されている。2023年5月に国家税関徴税統合庁(SENIAT)が公布した行政決議No. SNAT/2023/00031により、租税単位の金額は9.0ボリバルに調整された(2023年5月8日付官報42623号)。

年間課税対象所得(UTべース) 税率
2,000 UTまで 15%(控除なし)
2,001以上3,000 UTまで 22%から140 UTを控除
3,001 UT以上 34%から500 UTを控除

二国間租税条約

二重課税防止条約を30カ国と締結。日本とは締結していない。

国家税関徴税統合庁(SENIAT)によると、次の国との間では、二重課税防止条約を締結済み。
ドイツ、オーストリア、バルバドス、ベラルーシ、ベルギー、ブラジル(ただし未発効)、カナダ、中国、韓国、キューバ、デンマーク、スペイン、米国、フランス、インドネシア、イラン、イタリア、クウェート、マレーシア、ノルウェー、オランダ、ポルトガル、カタール、英国、チェコ、ロシア、スウェーデン、スイス、トリニダード・トバゴ、アラブ首長国連邦。

その他税制

付加価値税(IVA)は16%(法令4079号、2019年12月26日付官報41788号)。

  1. 付加価値税:16%(2020年1月1日より)
  2. その他
    1. 50人以上の従業員を抱える企業は、「麻薬組織法」に基づき、年間利益の1%を拠出しなければならない(内訳:40%は労働者およびその家族のため、25%は児童・青年のため、25%は麻薬の密売防止のため、10%は「国家麻薬防止基金(Fondo Nacional Antidrogas:FONA)」の運営資金に向けられる)。ただし、たばこや酒類の製造・輸入を行う企業の拠出金は、年間利益の2%となる。
    2. 年間総収入が10万UT以上の企業は、「科学技術・革新組織法」に基づき、科学技術・イノベーションのために年間総収入の一部を拠出しなければならない(「科学技術・イノベーション基金(Fondo Nacional de Ciencia, Tecnologias e Innovacion:FONACIT)」へ払い込む)。事業年度終了後から第2四半期以内に、FONACITへ拠出したことを報告しなければならない。拠出額は次のとおり。
      • 経済活動が「カジノ・ビンゴ・スロットマシーン統制法」の対象および関連産業に関係する場合、あるいはエチル・アルコール、アルコール類、タバコ販売に関連する場合:年間総収入の2%
      • 経済活動が「炭化水素組織法」、「ガス炭化水素組織法」によって規定されている、あるいは鉱山開発・加工・流通に関するもので、民間資本の場合:1%
      • 経済活動が「炭化水素組織法」、「ガス炭化水素組織法」によって規定されている、あるいは鉱山開発・加工・流通に関するもので、政府資本の場合:0.5%
      • その他の経済活動の場合は0.5%。

      なお、通信事情サービス提供者で「通信開発調査基金(Fondo de Investigacion y Desarrollo de las Telecomunicaciones:FIDETEL)」に振り込んでいる法人は、「科学技術・革新組織法」に基づいたFONACITへの拠出を免除される。

    3. 純利益が2万UT以上の企業は、「スポーツ・運動・体育組織法」に基づき、スポーツ振興のために、純利益の1%を「スポーツ・運動・体育発展基金」に拠出しなければならない。拠出額の50%までは、「スポーツ・運動・体育発展基金」の指導の下、拠出者自身の裁量でスポーツ活動にかかわる分野に使用できる。残りの50%は、「スポーツ・運動・体育発展基金」の裁量によって使用される。本拠出は、税額控除の対象にはならない。
    4. 2013年10月17日付官報40274号で公布された「政府情報法」により、市・州・国を問わず、公的機関と取引を行っている情報技術関連企業は、純利益の一部を、当該年度終了から90日以内に国家情報技術委員会(Comision Nacional de las Tecnologias de Informacion:CONATI)に拠出しなければならない。なお、拠出した金額は、法人税の支払いから控除できる。拠出額は次のとおり。
      • ソフトウエアの輸入・流通・販売を行った法人は、純利益の2.5%。
      • ソフトウエアサービスを提供している法人は、純利益の1.5%。
    5. 2017年12月29日付官報第41310号により、自由に換金可能な外貨建ての外国投資に由来する利益および配当金の海外への送金は、投資目的を遵守する場合、100%行うことができると定められた。不可抗力や特別な経済状況の場合、内務省は、この割合を60%から80%の範囲で減らすことができる。

      配当金の部分的な送金の場合には、不可抗力または内務省によって宣言された経済状況の異常事態のために海外に送金されなかった配当金を除き、差額は3会計年度を上限として課税所得とともに累積することができる。一方、会社清算の場合、新法律は、外国投資額の全額を海外に送金することができると定めており、管轄機関に正しく報告しなければならない。

      会社の収入の70%以上を伝統産品および鉱物の輸出によって得ている企業は、税金の支払いを外貨で行う義務がある。

    6. 2022年3月28日、大口金融取引法(Ley a las Grandes Transacciones Financieras、IGTF)の改正法が公布された。この改正は、個人および法人が行うボリバルとペトロ以外の外貨または暗号資産による取引に3%の課税を実施するものである(2022年2月25日付臨時官報6687号)。なお、政府または中銀が発行する債券、ガソリン等燃料については免除されている。
    7. 2023年法令4806号で、国内に居住する個人および法人が、中央銀行が発行し保証する証券などの投資の資本金および持分の清算によって得た所得について、1年間所得税が免除されることが定められた(2023年5月8日付官報42623号)。
    8. 2018年7月より国内のモノ不足に対応するため多くの商品の輸入に係る関税および付加価値税の免除措置が導入され、更新が続いている。また更新するごとに対象品目リストにも変更が加えられている。2023年法令4821号(2023年7月1日臨時官報6750号)では関税・付加価値税を90%免除する品目が1,590品目(付属リストⅠ)、100%免除が441品目(付属リストⅡ)掲載されている。