外資に関する奨励

最終更新日:2023年12月27日

奨励業種

「責任ある開発のための戦略」に沿った戦略部門には、高品質食品部門、輸送部門、電気・電子機器の専門分野、航空宇宙分野、衛生製品部門、医薬品および医療機器部門、 機械部門、エコ建設部門などが該当し、これらの投資分野に焦点が当てられる。

各種優遇措置

ポーランドの投資優遇措置はEU規則およびポーランドの法律に取り入れられた投資支援メカニズムに則っている。投資家が享受できる優遇措置はEU地域助成の上限基準内であり、上限基準は国内地域ごとに定められている。優遇措置は新規投資支援と新規雇用助成に大別される。また、新しい投資支援システムおよび既存の経済特別区支援システムに基づいて投資を行う際、所得税の免除を受ける優遇措置もある。

投資の新支援メカニズム

2018年、ポーランドに新しい投資支援システムが導入された。その目的は、既存の経済特別区(Special Economic Zone:SEZ)に限られていた投資誘致を拡大することである。新たな投資支援システムは、これまでのSEZの代替として導入されるのではなく、2026年のSEZの満了まで両システムが並行して稼動する。新たな支援システムは「ポーランド投資ゾーン(Polish Investment Zone:PIZ)」と呼ばれる。

  1. 新たな投資支援システム「ポーランド投資ゾーン(PIZ)」
    SEZ内で行われているこれまでの支援システムと同様に、所得税の免除という形式での支援が、新しい投資促進の主要な手段である。
    1. 支援の対象
      経済活動を行う自然人と法律で定められた条件を満たす法人の両方が、この支援の対象となる。
    2. 支援の決定機関
      新システムでの支援の決定は、開発・技術省の意向を受けてSEZの管理者が行う。決定の申請には、新しい投資の実施計画が含まれていなければならない。
      支援は10年以上15年以下の一定期間にわたって行われ、支援期間はポーランドの特定の地域に設定された公的補助の内容によって個別に決定される(公的補助の支援範囲は、地域によって異なる)。また、新規投資の51%以上が既存の経済特別区内で行われる場合、支援期間は15年となる。
      欧州委員会への通知義務がある投資案件の場合、SEZの管理者が支援を決定しても、欧州委員会がその支援を認める決定を下すまでは、起業家が補助を受けることはできない。
    3. 支援の決定基準
      支援の決定は、起業家が量的および質的基準を満たしているかが判断基準となる。質的基準は、サービス部門と産業部門で個別に定義されており、量的基準は両方の部門に共通の定義がある。新規投資を行う起業家は、質的基準で合計6ポイント以上、経済発展と社会開発の各基準で1ポイント以上得なければならない。該当区域における地域によっては、支援の適用基準が5ポイントまたは4ポイントまで引き下げられる場合もある。
    質的基準:サービス部門(概要)
    基準 判断基準 ポイント数
    経済発展基準 「責任ある開発のための戦略」と合致した戦略的セクターにおける投資で、ポーランドが競争上の優位性を得ることができ、現在の開発政策と一致する産業を支援する投資である。対象となるのは、高品質食品部門、輸送部門、電気・電子機器の専門分野、航空宇宙分野、衛生製品部門、医薬品および医療機器部門、機械部門、エコ建設部門、専門サービス分野、専門的情報通信サービス分野、投資計画を伴う県レベルの重点特化事業分野である。 1
    研究開発を実施している。 1
    人材を最大限に活用している。 1
    地域連携を推進している。供給業者などとの提携による新規投資を行う。 1
    新規投資により工程のロボット化と自動化を進める。 1
    施設の平均電力消費量の15%以上をまかなう再生可能エネルギー導入に向けた新規投資を行う。 1
    小規模企業をはじめとする中小企業に該当する。 1
    社会開発基準 高賃金雇用が確立され、安定した雇用が提供できる。 1
    環境への悪影響が少ないビジネスを行う。 1
    投資の場所 1
    専門学校との連携を図り、教育および専門資格の取得を支援する。 1
    従業員への福利厚生が充実している。 1
    質的基準:産業部門(概要)
    基準 判断基準 ポイント数
    経済発展基準 「責任ある開発のための戦略」と合致した戦略的セクターにおける投資であり、ポーランドが競争上の優位性を得ることができ、現在の開発政策と一致する産業を支援する投資である。対象となるのは、高品質食品部門、輸送部門、電気・電子機器の専門分野、航空宇宙分野、衛生製品部門、医薬品および医療機器部門、機械部門、エコ建設部門、専門サービス分野、専門的情報通信サービス分野、投資計画を伴う県レベルの重点特化事業分野である。 1
    人材を最大限に活用している。 1
    地域連携を推進している。供給業者などとの提携による新規投資を行う。 1
    新規投資により工程のロボット化と自動化を進める。 1
    国家にとって戦略的に重要なクラスターに参加している。 1
    研究開発を実施している。 1
    施設の平均電力消費量の15%以上をまかなう再生可能エネルギー導入に向けた新規投資を行う。 1
    小規模企業をはじめとする中小企業に該当する。 1
    社会開発基準 新規投資の対象となる事業活動を行うために専門人材の雇用を創出し、安定した雇用を維持している。 1
    環境への悪影響が少ないビジネスを行う。 1
    投資の場所 1
    専門学校との連携を図り、教育および専門資格の取得を支援する。 1
    従業員への福利厚生が充実している。 1
    量的基準:サービス部門および産業部門
    新規投資支援の決定条件である量的基準は、投資が実施される地域の平均失業率によって異なる。新規投資の資金面の観点から、以下の情報に基づき、該当する地域の失業率が高いほど、量的基準要件が低く設定されるようになっている。
    該当地域の失業率 最小投資額
    国の平均失業率の60%以下 1億ズロチ
    国の平均失業率の60%を超えるが、100%未満 8,000万ズロチ
    国の平均失業率の100%以上130%未満 6,000万ズロチ
    国の平均失業率の130%以上160%未満 4,000万ズロチ
    国の平均失業率の160%以上200%未満 2,000万ズロチ
    国の平均失業率の200%以上250%未満 1,500万ズロチ
    国の平均失業率の250%以上 1,000万ズロチ
    投資対象地域の失業率にかかわらず、その地域の大部分が平均的に評価して社会的・経済的な機能を失っている市街、その市街を持つ自治体、またはそれらに隣接する自治体である場合 1,000万ズロチ

    特定のタイプのサービスや中小企業の投資には、投資支援決定基準の閾値が引き下げられる。

  2. 経済特別区(SEZ)

    経済特別区システムは、前述の新規投資支援メカニズム「ポーランド投資ゾーン(PIZ)」とは別に実施され、2026年まで有効である。SEZに投資した企業は、引き続き企業減税を受けることができる。ただし、新規の投資は、SEZで事業活動を行うための新たな許可を取得できなくなり、投資支援は、開発・技術省の意向を受けたSEZの管理者が支援を決定した場合にのみ実施されることとなる。
    SEZに進出した企業は、一定の条件を満たせば、法人税の減免措置を受けることができる。また、SEZの経営会社が、競争価格での土地の提供、手続き処理支援(有償、無償)など投資家のサポートを行っている。投資家がSEZに所属しない土地を所有していても、別途手続きの上、SEZの対象に含めることが可能。SEZの境界線の拡張は、いわゆる「必要基準」、つまり、すでに実施されている投資の実施に必要と認められる場合にのみ可能。その場合の面積は2.0ヘクタールを超えてはならない。

    SEZの適用対象は主として製造業であったが、現在では物流、ビジネス・プロセス・アウトソーシング、シェアード・サービス、研究開発、情報処理などにも本制度が適用される。

    投資家は、特定地域のビジネスライセンスに基づいてSEZで経済活動を行い、公共援助を利用する資格が与えられる。
    SEZは地域振興を目的として、全国14カ所に設けられ、各SEZは複数のサブゾーンから形成されている。サブゾーンはいわゆる工業団地が主で、大型投資の場合、単独案件でもサブゾーンに組み入れられている場合がある。

    • 投資の公的補助の条件
      10万ユーロ以上の投資(既にSEZとして認定された地区の場合)。また、投資の総費用において、起業家自身は25%以上を負担しなければならない。
    • 助成額
      出資額や採用コストに基づいて各地域の地域助成の上限額(後述)をベースとして計算された支援額が尽きるまで、もしくはSEZの有効期限(2026年)まで、法人税の支払いが免除される(ただし、SEZ許可証に記載された事業活動に限る)。

    (例)大企業の投資額:1,000万ユーロ、上限係数:50%の場合
    所得が1,000万ユーロ×50%=500万ユーロに達するまで、所得税免税の資格を得る。

    全国14カ所のSEZは次のとおり。活動終了年はすべて2026年。

    1. ミェレツ(Euro-Park Mielec外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    2. カミェンナ・グラ(Kamienna Gora SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    3. コシジン・スウビツェ(Kostrzyn-Slubice SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    4. カトヴィツェ(Katowice SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    5. クラクフ・テクノロジーパーク(Krakow Technology Park外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    6. レグニツァ(Legnica SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    7. ウッチ(Lodz SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    8. ポモージェ(Pomorska SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    9. スウプスク(Slupsk SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    10. スタラホビツェ(Starachowice SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    11. スバウキ(Suwalki SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    12. タルノブジェグ(Tarnobrzeg SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    13. バウブジフ(Walbrzych SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    14. バルミア・マズリ(Warmia-Mazury SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

地域助成度数(両方の支援メカニズムに該当)

地域助成度数は、地域助成予算と助成対象費用の比率に基づき地域ごとに計算され、2022~2027年の地域助成マップで次のとおり示されている。

  1. 50%:ルブリン県、ポトカルパチェ県、ポドラシェ県、シフィェンティクシシュ県、ヴァルミア・マズールィ県、シェドレツキ管区
  2. 40%:クヤヴィ・ポモージェ県、ルブシュ県、ウッチ県、マウォポルスカ県、オポーレ県、西ポモージェ県、シェドレツキ管区を除くマゾフシェ県各郡
  3. 30%:ポモージェ県、シロンスク県
  4. 25%:ドルヌィ・シロンスク県およびヴィエルコポルスカ県(次の5の地域を除く)
  5. ポズナン市、ヴロツワフ市、ポズナン管区
    1. 20%:2022年1月1日から2024年12月31日まで
    2. 15%:2025年1月1日から2027年12月31日まで
  6. 首都ワルシャワ地域
    1. 25%:バラノフ、ブウォニエ、グラ・カルヴァリア、グロジスク・マゾヴィエツキ、ヤクトロフ、カンピノス、レオンチン、レシュノ、ナシエルスク、プラジムフ、タルチン、ザクロチム、ジャビア・ヴォラの各基礎自治体(グミナ)
    2. 35%:ドンブロフカ、ドブレ、ヤドゥフ、カウシン、コウビエル、ラトヴィチ、ムロズィ、オシェツク、セロツク、シエンニツァ、ソビエニエ・イェジョリ、ストゥラホフカ、トゥウシュチュの各基礎自治体(グミナ)

これらの係数は、対象投資額が5,000万ユーロを超える新規投資を除き、中小企業に対しては10%ポイント、小規模企業に対しては20%ポイントが加算される。

助成上限額(両方の支援メカニズムに該当)

これまで、企業は、新規投資の費用補填、および新規投資に関連して特定数の従業員の雇用創出を目的として公的支援を受けることができた。新規投資の費用補填の場合、最大補助額は所与の地域について決定された公的補助度数と投資適格コストとの積として計算され、補助額は投資の最大適格費用を上限とする。新しい投資に関連した特定数の従業員の雇用創出費補助については、所与の地域について定義された補助度数に応じ新規雇用された従業員の2年間分の労働費が補填される。

大型投資プロジェクト(3年間における新規投資のうち、支援の対象になる費用が5,000万ユーロ相当以上)の場合には、次の算定式に従って、補助金の上限額が決定される。

I=R ×(5,000万ユーロ+0.5B+0.34C)

I:「大型投資プロジェクト」が享受できる補助金の額
R:「助成強度」、すなわち各地域の助成金上限係数を代入
B:投資額全体のうち、5,000万~1億ユーロまでに該当する支援対象の費用を代入
C:投資額全体のうち、1億ユーロを超える支援対象の費用を代入

出所:

  • 欧州連合の機能に関する条約第107条および第108条が適用される域内統一市場の原理に矛盾しない特定の援助分野を公示する欧州委員会規則651/2014(2014年6月26日付官報 L187外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(英語)
  • 欧州連合の2014‐2020年地域助成ガイドライン(2014年7月4日付官報C210外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(英語)
  • ポーランド地域助成マップ2014-2020の2021年12月31日までの延長措置(SA.58437(2020/N)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(307KB))(ポーランド語)
  • ポーランド地域助成マップ2014-2020を策定する内閣令(官報2014年第878外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 経済特別区(SEZ)に関する法律(官報1994年第123号第600外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 経済特別区(SEZ)の管理者に対し特定の地域において事業活動を行う許可について管理を委託することに関する企業・技術省令(官報2019年第1785外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 新規投資の支援に関する法律(官報2018年第1162外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 新規投資の実施のために特定の起業家に付与される公的補助に関する内閣令(官報2018年第1713外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 経済特別区(SEZ)で事業許可を得て公的補助を与えられ企業活動を行う場合に関する内閣令(官報2008年第232号第1548外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 法人所得税法(官報1992年第21号第86外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • ポーランド地域助成マップ2022-2027を策定する内閣令(官報2021年第2422外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)

その他の投資インセンティブ

固定資産税の減免措置

日本の固定資産税よりも狭義であり、不動産のみに課される税。直訳は不動産税。
固定資産税は地方税であり、減免措置を受けられるのは、本措置を設定している基礎自治体(グミナ)の判断による。
財政支援の供与条件は、各基礎自治体の固定資産税の免除に関する決議に基づく。

ポーランド政府の補助金

「2011~2030年までの国民経済にとって重要性を持つ投資助成プログラム」では、ポーランド政府補助金交付のルールが定められている。補助金は2025年末までに受益者に交付される。

新規投資に伴う補助金交付プログラムの申請を行う場合、助成金を受けられるのは次の投資を計画している企業で、かつ高等教育機関と協力を行う企業のみ。

  1. 戦略的投資:投資額が1億6,000万ズロチ以上であり、新規雇用数が50以上にのぼる設備投資、もしくは投資額が1億6,000万ズロチ以上であり、新規雇用数が50以上の特定サービス提供に向けた投資。
  2. 革新的投資:投資額が700万ズロチ以上であり、新規雇用数が20以上にのぼる設備投資、もしくは投資額が700万ズロチ以上であり、新規雇用数が20以上にのぼる特定サービス提供に向けた投資であり、かつ次のように、少なくともポーランドでこれまでなかった革新的な製品またはプロセスをもたらすもの:
    1. 革新的製品:ポーランドの既存製品とは決定的に異なる新製品または高度化された製品であり、かつ投資後は投資家により利用者のために広く提供されるもの
    2. 革新的プロセス:ポーランドの既存プロセスとは決定的に異なる新しいまたは高度化されたプロセスであり、かつ投資後は投資家により実行されるもの

    この要件を満たすかどうかは、経済担当大臣が判定する。投資後、革新的製品またはプロセスは、経済担当大臣による承認を受けた分野で必ず提供または実行されなければならない。

  3. ビジネスサービスセンター:特定プロセスへの投資額が100万ズロチ以上であり、新規雇用数が100以上にのぼる先端的なビジネスサービスへの投資。
  4. 研究開発サービスセンター:研究開発サービス提供のための特定プロセス実行を唯一の目的とする、投資額が100万ズロチ以上であり、高学歴者の新規雇用数が10以上にのぼる先端的ビジネスサービスへの投資。

中小企業または新興企業は、高等教育や科学研究の関連機関、または中等学校と提携協定を結ぶ場合のみ、前記の助成を受けられる。
投資家の再投資計画、事業規模、そして事業地などに応じて、前記要件は緩和される場合がある。

助成対象
  1. 助成対象となる新規投資
    次のような投資案件では、有形固定資産または法律上の権利を含む無形固定資産への投資コストが助成対象となる。
    • 戦略的投資の実施
    • 革新的投資の実施
    • 研究開発サービスセンターへの投資

    助成度数は、投資案件の種類、投資家の事業規模と事業地に応じて異なる。
    新規投資の助成を受ける場合、さらに新規雇用費用の助成を受けることはできない。

    助成限度額は、投資額、助成度数、投資評価ポイント数を次の式に当てはめて求められる。

    助成限度額(ズロチ)= a × b × c ÷ 10

    a:投資額(ズロチ)
    b:助成度数(%)
    c:投資評価ポイント数

  2. 助成対象となる新規雇用費用
    次のような施設における新規雇用費用が助成対象となる。
    • ビジネスサービスセンター
    • 研究開発サービスセンター

    助成度数は、投資案件の種類や投資先となる地域に応じて異なる。
    新規雇用費用の助成を受ける場合、さらに新規投資の助成を受けることはできない。

    助成限度額は、新規雇用数、助成度数、投資評価ポイント数を次の式にあてはめて求められる。

    助成限度額(ズロチ)= a × b × c ÷ 10

    a:新規雇用数(人)
    b:新規雇用1人当たりの助成度数(ズロチ)
    c:投資評価ポイント数

  3. 従業員の研修に応じた追加助成
    従業員が法定研修とは別に、職務遂行のための技能、専門資格、基本的能力を習得、補完、向上できるよう、外部研修または大学等での教育の機会を設ける投資家に対しては、新規投資または新規雇用費用に対する助成が増額されることがある。
    追加限度額は、対象となる従業員1人当たり次のとおり。
    • 7,000ズロチ:ポーランド国内で地域助成度数が50%または隔絶が懸念される地域
    • 5,000ズロチ:ポーランド国内のその他の地域

    追加限度額は投資別に次の式によって求められる。

    追加限度額(ズロチ)= a + b × c × d

    a:新規投資または新規雇用への助成限度額
    b:研修を受ける従業員数(投資による新規雇用数以下であること)
    c:係数:
    ・0.5:ポーランド国内で地域助成度数が50%または隔絶が懸念される地域
    ・0.25:ポーランド国内のその他の地域
    d:従業員1人当たりの研修の実費:
    ・14,000ズロチまで:ポーランド国内で地域助成度数が50%または隔絶が懸念される地域
    ・20,000ズロチ:ポーランド国内のその他の地域

出所:2013年6月5日付内閣決議第91/2023「2011-2023年ポーランド経済において重要とみなされる投資支援プログラム」の採択に関する修正決議第RM-06111-74-23号(ダウンロード)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.2MB)(ポーランド語)

助成の認定基準
  1. 新規雇用に対する助成の認定基準
    現在は次の基準により助成が認定されている。
    1. 実施プロセスの種類
    2. 研究開発
    3. 人材の活用
    4. ロボット化・自動化
    5. 小規模企業または中小企業であるか否か
    6. 安定した高賃金の雇用創出
    7. 低環境負荷型施設への投資
    8. 地域格差の是正
    9. 専門技能・資格の習得支援と外部組織との連携による業界研修
    10. 従業員への福利厚生の充実
  2. 新規投資に対する助成の認定基準
    現在は次の基準により助成が認定されている。
    1. 重点分野への戦略投資
    2. 人材の活用
    3. ロボット化・自動化
    4. 研究開発
    5. 再生可能エネルギーへの投資
    6. 小規模企業または中小企業であるか否か
    7. 高度人材の雇用創出
    8. 低環境負荷型事業の運営
    9. 地域格差の是正
    10. 専門技能・資格の習得支援と外部組織との連携による業界研修
    11. 従業員への福利厚生の充実
新規雇用助成

地域労働局にて次の制度が利用可能。

  1. 失業者の職能実習に対する補填制度
  2. 就労の場における職能訓練に対する補填制度
  3. 雇用者側のニーズに応じた失業者向け職能訓練に対する補填制度

出所:2013年6月5日付内閣決議第91/2023「2011-2023年ポーランド経済において重要とみなされる投資支援プログラム」の採択に関する修正決議第RM-06111-74-23号(ダウンロード)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.2MB)(ポーランド語)

2021~2027年までのEU結束基金による財政支援

ポーランドは2021~2027年の7年間、EU結束基金による総額668億ユーロの財政支援を受ける。
このほか、結束政策の一環で新型コロナ禍対策資金として30億ユーロ、共通農業政策予算からは285億ユーロ、公正な移行基金からも35億ユーロがポーランドに配分される見込みである。これらEU予算は、新型コロナ禍による被害からの復興対策と経済基盤強化、ならびに2021~2027年にかけてのEU目標を実現するために充てられる。

支援内容としては、次のような例が挙げられる。

  1. 知的開発オペレーション・プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポーランド語)
    イノベーションを生み出す製品・サービスのための研究開発を支援するプログラム。
  2. マゾフシェ県プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポーランド語)
    マゾフシェ県に投資する投資家に対して、R&D活動、技術移転などに際して、補助金を交付。
  3. 東ポーランド県運営プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポーランド語)
  4. 欧州ホライゾンプログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  5. 欧州投資銀行(EIB)によるR&D活動を行う投資家に対する低利での与信供与外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ポーランド開発基金(PFR)グループ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポーランド語)

ポーランド開発基金グループは、次の組織とその子会社で構成されている。

  1. Polski Fundusz Rozwoju(ポーランド開発基金)
  2. Bank Gospodarstwa Krajowego(国立産業銀行)
  3. Polska Agencja Rozwoju Przedsiębiorczości(ポーランド企業開発庁)
  4. Korporacja Ubezpieczeń Kredytów Eksportowych S.A.
  5. Polska Agencja Inwestycji i Handlu S.A.(ポーランド投資貿易庁)
  6. Agencja Rozwoju Przemysłu S.A.(産業開発庁)

各機関は、投資家に対するサポートまたはサービスの分野において、それを実行することを目的とする。特に、海外への輸出およびポーランド国内の投資の分野におけるコンサルティングを行っている。PFRグループは、企業向けに120種以上の金融商品を提供しており、そのうち60種以上は融資商品である。

出所:開発機関のシステムに関する法律(官報2019年第1572外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

その他

特になし。