関税制度

最終更新日:2024年01月11日

管轄官庁

貿易省(Ministry of Trade)

貿易省(Ministry of Trade外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、トルコ語)

Söğütözü Yerleşkesi (Merkez Bina) Söğütözü Mah. 2176. Sk. No:63 06530 Çankaya, Ankara, Turkey
Tel:+90 312 204 75 00

関税率問い合わせ先

貿易省・税関総局(Ministry of Trade・Directorate General of Customs)

貿易省・税関総局(Ministry of Trade・Directorate General of Customs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、トルコ語)

Tel:+90 312 449 30 00

関税体系

基本税率と最恵国税率で構成される。

EU諸国とは関税同盟を、自由貿易協定(FTA)締結相手国とは協定を前提とした関税率が適用される。締結済または交渉中のFTAについては、「WTO・他協定加盟状況」の項を参照。

品目分類

HS分類

関税の種類

従価税、従量税、従価従量税があるが、従価税が適用されるケースがほとんどである。

課税基準

原則としてCIF価格。

対日輸入適用税率

MFN(Most Favored Nation = 最恵国)税率もしくは対象国分類:その他の国の税率が適用される。2019年10月4日には、日・トルコ経済連携協定(EPA)交渉第17回会合が開催されるなど、日本とはEPA締結の議論および調整が継続されている。

特恵等特別措置

EUとの工業製品、農産加工品等の輸出入については、関税同盟を前提とした特別措置が取られ、原則として関税の低減または無関税が適用される。EFTA諸国や自由貿易協定締結国に対しては、原則として関税低減が適用される。2002年1月からは、EUと同一の一般特恵関税制度を実施している。

関税同盟

1996年7月1日にEUトルコ間で関税同盟が締結された(Decision 1/95 of the Association Council of 22.12.1995 (OJ L 35, 13.02.1996))。関税同盟の対象は工業製品および加工農作物であり、農作物および石炭・鉄鋼は対象から除外されている。

関連法

関税法(No.4458, 1999年10月27日公布)は、2000年2月に発効し、2009年6月18日(No.5911)改訂された。2013年3月28日(No.6455)の大幅な改正を含め、部分的な改定は随時行われている。

関税以外の諸税

RUSF、課税標準、農業基金課徴金、追加関税、追加財政課徴金。

  1. RUSF(Resource Utilization Support Fund) *トルコ語ではKKDF

    商品等輸入時に信用取引、後日払信用状取引等後払いの性質を有する決済を行った場合、インボイス価格に6%を乗じた金額がRUSFとして回収される。なお、前払いを行った場合は、その決済に応じて外国為替売渡書、トルコリラ送金書、銀行から発行される支払証明書等により、それを証明する必要がある。
    詳細は「税制」の項目を参照。

    2015年4月10日、政府は一部品目に対するRUSFの適用税率を6%から0%へ変更すると閣議決定した。
    詳細は、2015年4月27日付ジェトロの記事「一部品目への財源使用税の適用税率が0%に-コスト低下で対トルコ輸出に追い風-」を参照。

    ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド等の貴石へのRUSF適用税率をイスタンブール証券取引所で取引する場合は0%へ変更された。
    2017年7月29日付官報2017/10640:Karar Sayısı : 2017/10640PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(83KB)(トルコ語)

  2. 課税標準
    トルコでは、航空貨物を輸入する際、課税標準価格の航空運賃はIATA正規航空運賃料金が適用される。各税関吏の判断によるものではなく、どこの税関でもこの方法が取られている。
    インボイス価格がCIF(輸送費・保険料込み条件)で商品とフレートが区別されて記載されており、そのフレートが正規料金でない場合、すべて正規料金の加算適用がなされている。また、申告価格がDAP(仕向地持込み渡し関税抜き条件)、DDP(仕向地持込み渡し関税込み条件)といったトルコ側の国内輸送費が加算されている場合でも、トルコの申告価格がCIFとルール上明記されているにもかかわらず、そのトルコ国内での輸送費は差し引かれることなく、そのままDAP、DDP価格が申告価格として適用されるというのが実態である。
  3. 農業基金課徴金(Tarım Payı
    野菜、砂糖、カカオなど特定品目の輸入に対する課徴金。日本からの輸入に対しては176.24 EUR / 100Kg/netが課税される。対象品目HSコードは官報32416号(2023年12月31日付、P359~P369のリストNo.3)を参照。
    2023年12月31日付官報32416号:Resmî Gazete Sayı : 32416PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(20.3MB)(トルコ語)
  4. 追加関税(İlave Gümrük Vergisi:İGV
    一般関税と同様に、関税法第474号を根拠とし課税される。2023年中に発表の時限追加関税措置の対象品目が、原則として課税対象となる(2023年12月31日付官報32416号:Resmî Gazete Sayı : 32416外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(3.5MB)、トルコ語)。
  5. 追加財政課徴金(Ek Mali Yükümlülük)
    EUとトルコの関税同盟を利用し、一部の国からEU諸国を経由し輸入される場合に生じる税務上の損失を回避することを目的として課税される(2023年12月31日付官報32416号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(20.3MB)のP370~P384参照、トルコ語)

その他

留意すべき追加関税措置、物品の免税適用について。

国内産業の保護zや貿易赤字縮小を目的として実施される追加関税措置が増加しており、こうした措置は事前通告がないまま官報(トルコ語)で発表され、即日発効となることから、対策を取ることが難しい。
詳細は、2017年2月23日付ジェトロの記事「急増する追加関税措置、2016年以降で計8回105品目」を参照。

例年行われている輸入規制の改正措置に伴って、一部の品目については通常の関税率も変更された(2023年12月31日付官報32416号 "Resmî Gazete Sayı:32416外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(20.3MB)"(トルコ語)参照)。

適用税率における対象国分類(次の添付リンク4ページ略語一覧表” KISALTMALAR”参照)

Ⅰ、Ⅱ(4~24分類)、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ
  1. AB:EU
  2. B-Her:ボスニア・ヘルツェゴビナ
  3. D-8:バングラデシュ、インドネシア、イラン、マレーシア、ナイジェリア、パキスタン(エジプトを除く)
  4. EFTA:EFTA諸国
  5. F.ADA.:フェロー諸島
  6. G.KORE:韓国
  7. GÜR.:ジョージア
  8. KOS.:コソボ
  9. MLZ.:マレーシア
  10. SNG.:シンガポール
  11. VNZ:ベネズエラ
  12. BAE:アラブ首長国連邦(UAE)
  13. G.T.S Ülkeleri:一般特恵対象国
  14. Ö.D.T.Ü:トルコが特別インセンティブを付与している国々
  15. G.Y.Ü:一般特恵制度の恩恵を受ける開発途上国
  16. D.Ü:その他の国
  17. DTÖ:世界貿易機関加盟国
  18. BK:英国
  19. EAGÜ:最恵国待遇対象国
  20. TPS-OIC:バーレーン、バングラデシュ、UAE、モロッコ、イラン、カタール、クウェート、マレーシア、パキスタン、サウジアラビア、オマーン、ヨルダン
Ⅱ(25~97分類)
  1. EU、EFTA、イスラエル、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モロッコ、パレスチナ、チュニジア、エジプト、ジョージア、アルバニア、ヨルダン、チリ、セルビア、モンテネグロ、コソボ、モーリシャス、モルドバ、フェロー諸島、韓国、英国、マレーシア、シンガポール
  2. ベネズエラ
  3. TPS-OIC:バーレーン、バングラデシュ、アラブ首長国連邦(UAE)、モロッコ、イラン、カタール、クウェート、マレーシア、パキスタン、サウジアラビア、オマーン、ヨルダン
  4. アラブ首長国連邦(UAE)
  5. 最恵国
  6. トルコが特別インセンティブを付与している国々
  7. 一般特恵制度の恩恵を受ける開発途上国
  8. その他の国

なお、日本はその他の国に分類される。

同表556ページ(EK-1表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(20.3MB)、トルコ語)に掲載されている一部の国を対象とした適用関税の除外品目(Haric sektor)のコードは、528ページ以降に掲載のHSコードと照合することができる。

物品の免税適用について

個人的使用に供されると認められる物品の関税の免除は、関税法4458第167条によって規定される。商業目的での利用と認められない物品(例えば、一定量のたばこ製品、アルコール製品、食品が規定されている。APPENDIX-9参照)または課税価格が430ユーロ(15歳以下の場合は150ユーロ)以下の贈与品は、関税が免除される。ただし、昨今の通関実務を鑑みると、関税免除に該当すると考えられる物品の輸入にも課税される実務が散見される。
税関:Passenger Transactions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(トルコ語)

個人荷物の輸入に関するルール

肉類、化粧品等個人輸入が禁止されているものがある。これらが入っている場合、税関で輸入を止められたり、高関税、廃棄等の可能性があるので留意が必要。詳細は税関マニュアル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(トルコ語)を参照。