化粧品を輸出する際の注意事項:日本

質問

日本から化粧品を輸出したいのですが、注意事項などがあれば教えてください。

回答

化粧品の製造・販売は医薬品医療機器等法の規制を受けますが、国内向けに流通している製品をそのままの形態で輸出する場合は医薬品医療機器等法の手続きは必要ありません。ただし、化粧品の安全性については各国で規則を定めていますので、輸出先国の輸入規則をご確認ください。

I. 医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)

  1. 国内向けに流通している製品をそのままの形態で輸出する場合
    化粧品は医薬品医療機器等法で規制されており、国内での製造・販売および海外から輸入した化粧品を販売するには許可・届出が必要です。しかし、国内の製造販売業者から仕入れた化粧品をそのまま販売するには医薬品医療機器等法の許可・届出は不要です。したがって国内向けに流通している製品をそのままの形態で輸出する場合には特別な手続きは必要ありません。ただし、何らかの理由で海外から返品を受ける場合は化粧品を輸入することになりますので、化粧品製造販売業の許可がないと返品を受けること(再輸入)はできません。
  2. 国内向けに流通している製品のラベル等を変更して輸出する場合
    医薬品医療機器等法上の製造には、包装、表示、および保管を含みます(医薬品医療機器等法施行規則第26条)。輸出国向けに製品名称その他の記載事項を現地の言語に翻訳すること、あるいは容器・外箱のデザインを輸出用に変更することなどの行為は「化粧品製造」に該当するため、化粧品製造業の許可を得たものでなければできません。化粧品の製造を行うもの(化粧品製造業者)は、その製造を開始する前に、あらかじめ独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency: PDMA)を経由して「輸出用化粧品製造届」(以下輸出届)を厚生労働大臣に届け出る必要があります(医薬品医療機器等法施行令第74条、医薬品医療機器等法施行規則第265条)。
  3. 当初から外国向け仕様の製品を輸出する場合
    当初から国内流通を目的とせず輸出専用品として成分を配合し、あるいは容器・外箱をデザインした製品を輸出する場合は2と同様に化粧品製造業の許可と輸出届が必要です。
  4. 化粧品製造業許可申請書
    化粧品製造業の許可を受けるための「化粧品製造業許可申請書」および厚生労働大臣に届け出る「輸出用化粧品製造届」は、厚生労働省が提供しているフレキシブルディスク(FD)申請ソフトで作成します。このFD申請ソフトは厚生労働省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからダウンロードできます。

II. 安全保障貿易管理

化粧品は安全保障貿易管理上のキャッチオール規制対象となります。安全保障貿易管理規制品でない場合は自己判定し、安全保障貿易管理規制の対象と思われる場合は、経済産業大臣の輸出許可が必要です。

III. Good Manufacturing Practice(GMP)

欧米やASEAN諸国へ化粧品を輸出する場合にはGood Manufacturing Practice(GMP)証明を要求される場合があります。GMP証明は、製造管理および品質管理の基準を満たしたものであることを証明するものです。GMP証明その他化粧品の輸出関係の証明書類の発給に関しては、日本化粧品工業連合会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますあるいはPMDA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにお問い合わせください。

IV. 輸出先国の法令

日本で化粧品を輸入する際に医薬品医療機器等法の規制を受けるのと同様に、輸出先国でも化粧品の成分等について規制があります。輸出先国の化粧品輸入規制を事前に調査し、対策を準備しておくことが必要です。

関係機関

厚生労働省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
経済産業省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本化粧品工業連合会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

厚生労働省:
医薬品医療機器等法対応申請ソフトダウンロード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
貿易投資相談Q&A
安全保障貿易管理におけるキャッチオール規制:日本外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出における安全保障貿易管理の規制品目・内容に対する該非の確認方法:日本外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016年7月
最終更新:2018年11月

記事番号: A-031101

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