海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本産食材サポーター店インタビュー Izakaya GOEN

メキシコの地方都市を代表する本格派日本食レストラン

所在地:レオン(メキシコ)

「本物の日本食」に興味がある全ての人へ

自動車関連企業の集積地域のグアナファト州の最大都市である、レオン市に暖簾を構えるのは、本格日本食レストラン「GOEN」。2018年の開店当初から「Mi casa es tu casa」(直訳すると「私の家は君の家」という意味だが、「ここはあなたの家なのよ」という親しさを表すメキシコならではのフレーズ)をコンセプトに、自分の家のようにくつろぎながら「心のこもったサービス」と「オーセンティックな日本食」を楽しめるとして地元のメキシコ人及びメキシコ国内に在住する日本人に愛されている。「レオン市内のその他日本食料理店と比較すると、決して安い値段設定ではありませんが、敷居が高いレストランを目指している訳ではありません。『本物の日本食』に興味を持った方々全てに対して、門戸を開いています」とGOENのマネージャーを務める松田氏は語る。美味しいのは当たり前、さらに「日本」を感じられる本格的な味を提供できるよう、日本人とメキシコ人のチームが試行錯誤を日々重ねながら運営を行っている。

妥協せず「本物の日本の味」を届けたい

「『本物の日本の味』を出しているという観点でいえば、GOENはグアナファト州内において、ナンバーワンのレストランであると自負しています」と松田氏は話す。ラーメンやチキン南蛮、塩焼きそば、お好み焼きなどの人気定番メニューから、マグロやウナギを使った創作料理を限定で販売するなど、幅広いバリエーションで顧客から愛されている。ラーメンを一杯作るにしても、GOENではラーメンスープの作成段階からこだわりを持って調理しています。ただ単に水と顆粒だしと調味料を混ぜた単一的な商品ではなく、日本で当たり前のように出てくる味を、手間暇を惜しまずに提供している。

日本人スタッフ、日本人シェフがいることを最大限に活かし、日本への渡航経験のないメキシコ人従業員が、実際の日本の味や盛り付けや食文化を理解するための丹念な教育を行っている。メキシコ人シェフを日本へ中期間派遣し、日本現地の食材、サービス、クオリティに直接触れる経験を提供することで、更なる技術の習得機会を設けている。このような妥協のない人材育成が実を結び、GOENでは日本国内の飲食店と負けず劣らない料理やサービスを提供している。実際に秋田県のホテル内にある料亭で就労機会を得たウリエル・エンリケ氏は「日本での貴重な経験を通じて、料理の技術はもちろんのこと、鮮魚の多様な調理方法について学べたことや日本文化を体感できたことを、GOENの更なる発展に活かせていきたい」と話す。

「日本にいるかのような体験」を提供したい

「本物の日本食」をメキシコ国内で提供するのに欠かせないのが、日本産食材の活用である。例えばハマチは鹿児島県産のものを使用しており、刺身としてはもちろんのこと、限定メニューで出しているハマチのカマ焼きは大人気だという。「特に刺身などの『素材そのものの味』を楽しんでもらいたいメニューは、日本産の食産品を活用することで、より旨味を感じやすいだけでなく、お客様に一つの体験として楽しんでもらえるようにしています」と松田氏は述べる。GOENでは、味はもちろんのこと「体験」を重要視している。日本から遠く離れた国メキシコで、日本を知らない人たちに少しでも日本にいるかのような体験をして欲しい、日本人には安心して席について生まれ育った味を楽しんでもらいたいという信念を持ち、開店以降、多くの顧客を魅了し続けてきた。

ラフテーなどの沖縄料理や、七夕の際の手鞠寿司などといった、日本特有の郷土・行事に因んだ料理の提供や鮪解体ショーの開催など、日本の文化や慣習に触れることで、多くのメキシコ人に心に残る体験を提供し、楽しんでもらうための付加価値を重要視している。実際に、以前あるメキシコ人の顧客がプロポーズの場所としてGOENに来店したとのことだが、それも「特別な体験を楽しめる場所」「日本とメキシコの架け橋となる場所」として多くの人に受け入れられていることを証明する一例である。

広島県の地酒や味噌メーカーとの協業

「本物の日本」を感じてもらうために、特に拘っているのが日本酒だ。品質の高い日本食材を取り扱うメキシコ国内の卸売業者との取引を普段から行っているが、日本酒はグアナファト州の姉妹都市である広島県の酒蔵から独自に取り寄せている。特に日本酒はメキシコと日本の繋がりを感じてもらいやすいことから、GOENでは重宝しているという。「こだわりの日本酒を扱うことによって、どの料理とお酒が合うかというペアリングはもちろんのこと、他店舗では置いていない日本酒を扱っているという特別感もあります。特にお刺身などを好んで頼まれる方に対して、必ずお薦めしている『白鴻 特別純米酒』は、グラスでご注文を受けた後に、ボトルに変更したいと仰るお客様も多い、当店人気の日本酒です」と松田氏は語る。他にも、味噌メーカーである「ますやみそ」社が製造・販売する甘酒を使用したデザートメニューを考案、販売するなど、様々な形で顧客に日本産食材を楽しんでもらうために日々尽力している。

日本食文化を広めていける存在になりたい

「日本産食材サポーター店認定店」であることを通じた「『本物の日本食を扱っている』という認証は、メキシコ人のお客様から信頼を獲得していく上で、非常に有益であると感じています。それらを形として表せる1つの手段であると同時に、提供側である私たちも、常に日本の味を出し続けなければいけないというMissionを後押ししてくれる存在となっています」と松田氏は説明する。日本産食材の使用はこれまでも、これからもGOENに無くてはならない存在であるのは言うまでもない。

「今後のGOENの発展のためにも、日本産の鮮魚や和牛をより活用したいと考えています。メキシコ産の食材品であると、どうしても表現の幅やクオリティに限界が生じます。素材そのものを味わう日本食文化を、ここメキシコで広めていくには日本産の食材や酒類の存在が非常に重要となってくると感じています。また、日本酒に関しても大手メーカーの商品はもちろんですが、より『特別な体験』を提供するため、拘りの商品を作り続けるメーカーや酒蔵さんと取引を行っていきたいと考えています。多くの日本食レストランが存在するこの国で、自信を持ってお客様に『GOENを食べたなら「日本」を知っているも同じ』と噂されるような存在に、日本食材を用いて成長出来ればなと思います。」と松田氏は笑顔で語ってくれた。

Izakaya GOEN
Av Paseo del Moral 519, Jardines del Moral, 37160 León, Gto.
477 688 6436

https://www.instagram.com/goen.leon/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます