海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本食材サポーター店インタビュー The Japanese Tea Hub

品質の高い商品をお客様に提供することに情熱を持った、スペインの公式日本茶ソムリエ

所在地:ヒホン(スペイン)

The Japanese Tea Hubについて

Xenia Blanco 氏は、日本の小規模な茶園で栽培された単一産地の有機茶の販売を行う「The Japanese Tea Hub」というオンラインストアを運営している。品質の高い商品をお客様に提供することに情熱を持った、スペインの公式日本茶ソムリエ。

なぜ日本茶?

Xenia氏は日本製の商品の美意識に惹かれ、子供のころから日本語を勉強し日本を訪れるという夢を持っていた。10代のころから日常的にお茶を飲むようになったが、日本茶を知ったのは大人になってから。日本やその他のアジア諸国の料理を作ることも好きだ。

Xenia氏は2008年に初めて日本を訪れカジュアルな雰囲気のお茶会で抹茶を飲んだが、これが彼女の人生を大きく変えた。美食家で公式茶ソムリエでもある彼女は品質の高い商品を好み、お客様がそれらを体験できる機会を提供している。

冒険のはじまり

Xenia氏は2017年に再び日本を訪れ、和束町の小さな会社で茶畑のツアーに参加。彼女が茶畑を訪れたのはこの時が初めてで、人生の中でお茶に関わっていきたいと思うようになった。

翌年、彼女は和束町に戻り、Japanese Tea Master Courseという日本茶に関する2週間の英語のプログラムに参加。参加者たちが日本茶畑に囲まれて茶に関する体験をするもので、全てのものが日本茶に関わる。毎日の食事の材料にも、お茶が使われる。

このプログラムに参加している最中に、日本茶輸出促進協議会が一部補助金を出した日本茶を勉強するツアーに申し込む機会があった。Xenia氏はこのプログラムの参加者に選ばれ、日本に戻りさらに2週間、日本茶に関わる教育とネットワークづくりを行った。

Xenia氏はすでにお茶のビジネスを始めることを決め、スウェーデンに引っ越した後、2019年の終わりには会社の設立を始めた。2020年3月に最初の店舗を開設し、その後イェーテボリで毎月のデザインマーケットや日本茶フェスティバルなどのイベントを行う。

直接会ったことない人々と協力し、Nomad Tea Festival Europe というオンラインのティーフェスティバルの開催にも協力した。日本茶の販売を行う日本人を含め、お茶の業界から多くの人が参加。イベントは大成功を収めた。

だが、パンデミックが世界を襲いイベントが中止され、彼女はプロジェクトを中止し11年間の海外生活の後、スペインに戻ることを決めた。彼女は2023年にビジネスを再開し、主に家族経営の日本の小さな茶園による単一産地の有機栽培の日本茶の販売をもう一度始めた。

The Japanese Tea Hubの新しいコンセプト

ビジネスは数ヶ月前に同じ名前で再開されたが、その形をわずかに変えた ―アジアをテーマにした店舗になった。The Japanese Tea Hubでは現在、日本茶だけではなく食器、陶器、織物、文房具、美容用品、食材、お菓子などの商品も取り扱っている。

またThe Japanese Tea Hubはお茶と食品のワークショップを通して、日本茶のプロモーションを行う様々なイベントに参加している。様々なお茶の背景、生産者、生産地、使用された品種、加工方法などの情報がお客様に喜ばれる。

The Japanese Tea Hubでは、品質の高い日本茶を提供している。ベストセラー商品には缶やスティック包装の静岡産の抹茶、霧島ほうじ茶、屋久島の和紅茶、宮崎県産の新茶、釜炒り茶などがある。

この短い間に、スペイン、そしてヨーロッパにおいてこのようなビジネスが必要とされていることが証明されている。お客様の間では日本からの高品質の商品だけでなく、日本の哲学にヒントを得たブティックスタイルのカスタマーケアも好評。イベントやワークショップ、ソーシャルメディアの投稿で、抹茶やほうじ茶やその他のお茶や材料の楽しみ方をよりよく知ることができる。

The Japanese Tea Hubの未来

Xenia氏は最近日本と韓国を出張で訪れ、再び新しい商品を店舗で扱うことや、新鮮なアイデアを取り入れることへのヒントを得た。

彼女は物事を素早く学び、イベントやワークショップの主催を楽しんで行う。どんなビジネスでも、良いユーザーエクスペリエンスを提供することが成功につながると考えている。このために現在はUXデザイン講座を受け、ビジネスに応用しようとしている。

さらに彼女は、しばらく前から持っていたHORECAに対する考え方を確立するため、ビジネスディベロップメントプログラムに参加。成功すればスペイン、さらにはヨーロッパで日本茶の認知度を上げることができるかもしれない。The Japanese Tea Hubに対し彼女が持つ様々なアイデアや改善事項が、一歩一歩実行されていく。

Xenia氏はお客様により多くの日本の材料を紹介し、The Japanese Tea Hubのインスタグラムで簡単なレシピを紹介し、自宅でくつろぎながら商品を楽しめるようにしたいと考えている。