3工業団地を投資優遇の特別経済区に指定

(チェコ)

プラハ事務所

2015年07月29日

 政府は7月8日、改正投資インセンティブ法に基づき、モスト・ヨゼフ(ボヘミア北部)、オストラバ・モシュノフ(モラビア北部)、ホレショフ(モラビア東部)の3工業団地を、投資優遇措置の手厚い特別経済区に指定した。

<不動産税を免除、多額の補助金も保証>

 特別経済区は、51日に発効した改正投資インセンティブ法により設置が定められたもので、産業貿易省が既存の工業団地の中から投資受け入れ余地のあるものを指定し、内閣が承認することになっている。特別経済区では、5年間の不動産税免除のほか、新規雇用創出・訓練費用についても他の地域に投資した場合と比較して多額の補助金が保証されている2015615日記事参照)

 

 ヤン・ムラーデック産業貿易相は特別経済区の目的を、地域的に均衡の取れた経済発展を促すため、と説明している。また、特別経済区の指定条件に関しては、「150ヘクタールのインフラ整備された土地を有し、所有地の40%以上が空き状態にある既存の工業団地」と述べた。

 

 特別経済区に指定された3工業団地の概要は以下のとおり(表参照)。

 モスト・ヨゼフ工業団地は高失業率地域にあるため、製造業への優遇措置の適用基準とされる固定資産投資の最低額が、通常の1億コルナ(約5億円、1コルナ=約5.0円)から5,000万コルナに引き下げられている。また、特別経済区では職業訓練費用の25%が補助金として支給されることになっているが、モストの失業率が全国平均を50%以上上回っているため、費用総額の50%が支給対象となっている。

 

 オストラバ・モシュノフ工業団地は高失業率地域外に位置するが、モスト同様に高失業率地域に指定されているオストラバの通勤圏内にあり、豊富な労働力が保証されている。

 

 ホレショフ工業団地は国内工業団地の中でも最大規模を誇り、投資先としてそれほど注目されていなかったモラビア東部地方の開発基盤として期待されている。

 

 産業貿易省は、今回指定した3ヵ所の特別経済区における経済効果、他の工業団地の空きスペースや地域の経済状況などを分析して、新たな特別経済区を指定することも計画している。

 

(中川圭子)

(チェコ)

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