浙江省に国内初の「国家情報経済モデル区」を設置-サプライサイドの構造改革を推進-

(中国)

上海発

2016年12月02日

 政府は11月15日、浙江省に国内初の「国家情報経済モデル区」を設置すると発表した。同省は2020年までにIoT(モノのインターネット)などのIT分野で有力企業20社を育成し、電子商取引(EC)、インターネット金融などの産業体系を構築することにしている。

ITの活用で産業体系を構築>

 国家インターネット情報弁公室、国家発展改革委員会と浙江省政府は同省嘉興市で記者会見し、同省に国内初の「国家情報経済モデル区」を設立すると発表した。それによると、政府は同省の杭州、嘉興、湖州、金華、衢州(くしゅう)、舟山、紹興、寧波の8都市をモデル都市とし、さらに烏鎮にインターネットイノベーション発展試験区を設ける。同省政府は今後、ITを活用し、全国に展開可能な「サプライサイドの構造改革」の推進方案を考案・テストする任務を託されている。

 

 浙江省の馮飛副省長は記者会見で、省政府による推進方案の実施計画を説明した。それによると、省政府は2020年までに、IoT、クラウドコンピューティング、ビッグデータ保存などのIT分野でイノベーションを促進し、主要業務の年間売上高が100億元(約1,600億円、1元=約16円)を超える有力企業を20社、国際影響力を有する情報産業基地を幾つか設ける。また、ITの応用分野では、国際ECセンター、長江デルタないし全国をカバーするインターネット金融センターを整備し、スマート物流・製造やスマートシティー関連の産業体系を構築する方針だ。

 

 浙江省政府はEC大手アリババなどの育成に注力してきた。馮氏によると、2015年の同省の情報経済核心産業(注)の伸び率は前年比15.1%増と、域内総生産(GRP)の伸び率(7.1%増)を8ポイント上回るなど、経済の新たな牽引役となっている。2015年の省内の越境EC取引額は全国の16%、同省の産業ロボット保有量は32,000台で全国の15%を占めているという。

 

(注)ITを活用した新しい産業のこと。

 

(文涛)

(中国)

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