ブカレスト経済大学で日EU・EPA会合開催

(ルーマニア)

ブカレスト発

2018年04月27日

ブカレスト経済大学で4月16日、駐ルーマニア欧州委員会代表部のアンジェラ・クリステア代表らをパネリストに迎え、日EU経済連携協定(EPA)をテーマにした会合が開催された。パネルディスカッションでは、日EU・EPAの概要や、ルーマニアと日本の双方にもたらされるチャンス、今後の課題について意見交換が行われた。

クリステア代表は冒頭、日EU・EPAはウィンウィンの関係をもたらす協定で、企業、消費者双方に大きな影響があることを強調した。続いて石井喜三郎駐ルーマニア日本大使は、日EU・EPAによる重要な意義は関税削減にとどまらず、貿易や投資、規制、規格などに関する透明性の高いルール形成の礎になる点だとし、ルーマニアの投資環境が改善することへの期待を述べた。

期待されるルーマニアの競争力向上

元外相で、現在はルーマニア商工会議所会頭シニアアドバイザーを務めるラザール・コマネスク氏は、日EU・EPAがルーマニアにもたらす効果として「高い商品基準を求める日本市場を目指すことによるルーマニアの競争力向上」を挙げ、ルーマニアから日本への輸出拡大、特に農産品にチャンスがあると述べた。また、日本からルーマニアへの投資拡大への期待を示し、ルーマニア商工会議所は日EU・EPAの意義を発信し続けていくことを強調した。

ジェトロ・ブカレスト事務所の水野桂輔所長は、日本からルーマニアへの輸出の約8割を占める自動車や機械分野の日系企業による日EU・EPAへの期待が高いほか、日本産のアルコール類に対する関税撤廃を歓迎する声もあることを紹介した。ルーマニアから日本への輸出に関しては、日本・チリEPAの締結により、チリ産ワインが日本市場で輸入量1位となったことを紹介し、ルーマニアにもこうしたチャンスにつながる可能性がある一方で、ハンガリーのマンガリッツァ豚やモルドバ共和国のワインのように、ブランド化の努力がこれまで以上に重要となることを強調した。

(藤川ともみ)

(ルーマニア)

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