外国投資誘致機関「インベスト・イン・カナダ」が発足

(カナダ)

トロント発

2018年04月16日

フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ国際貿易相は、海外からカナダへ投資誘致を行う新たな連邦政府組織「インベスト・イン・カナダ」の設立を2018年3月に発表した。この組織は、海外から直接投資の誘致と、海外の投資家がカナダに投資を行うために必要なサービスを提供する総合窓口的な機能を担い、新たな雇用の創出を目的とする。新組織の会長にはミッチ・ガーバー氏、CEOにはイアン・マッケイ氏が就任した。

ガーバー氏は民間企業の経営者で、また、「シルク・ド・ソレイユ」の共同出資者としても知られている。マッケイ氏は、日米欧でビジネス経験があり、日本では12年のビジネス経験を持つ。また、過去には自由党政権時代の政策アドバイザーを務めたこともある。連邦政府は2016年にインベスト・イン・カナダの設立と、トレード・コミッショナー・サービス強化のため、5年間で2億1,800万カナダ・ドル(約185億3,000万円、Cドル、1Cドル=約85円)を割り当てることを発表していた。

カナダ国内労働者の8人に1人は外国資本の会社で雇用

連邦政府によると、現在約190万人のカナダ人が国内に設立された外国資本の企業に雇用されており、その割合は同国の労働者全体の約12%、8人に1人の割合になる。新組織は、先端製造業、農業・食品、クリーン・テクノロジー、デジタル・テクノロジー、ヘルスサイエンス、バイオサイエンスといった連邦政府の経済成長政策に沿った分野での海外からの直接投資受け入れに注力する。現在、カナダの海外直接投資受け入れ額は、約8,000億Cドルに達している。

(伊藤敏一)

(カナダ)

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