ユーラシア経済連合、イランとFTA、中国と協力協定を締結

(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス、イラン、中国)

欧州ロシアCIS課

2018年05月18日

ロシアなど5カ国(注)が加盟するユーラシア経済連合(EEU)は5月17日、イランとの時限的自由貿易協定(FTA)、中国との貿易経済協力協定に調印した。カザフスタンの首都アスタナで開催されているアスタナ経済フォーラムに併せて調印式が行われた。

イランとのFTAは3年間の時限的なもので、関税引き下げ・撤廃対象はEEUの関税分類で502品目を予定する(2018年4月26日記事参照)。ユーラシア経済委員会のティグラン・サルキシャン委員長は「(有効期間の)3年間で完全なFTA締結に向けて合意を達成しなければならない」と意欲をみせている。

中国との貿易経済協力協定に関して、EEUを主導するロシア政府は「EEU・中国との協力の法的な基礎になるもの」と説明している。今回の協定締結で関税の引き下げ・撤廃は発生しない。衛生・植物検疫、通関手続き、電子商取引、知的財産保護、政府調達、反独占・競争政策など幅広い分野での協力や、中国政府が主導する「一帯一路」政策とEEUとの連携、技術・資源・資本分野などでの共同事業の創設が想定されている。

イランとのFTA、中国との貿易経済協力協定の締結に関しては5月14日にロシア南部のソチで開催されたEEUサミット(2018年5月16日記事参照)でも加盟国首脳に報告されている。このほかEEUはイスラエル、セルビア、シンガポールとFTA交渉中で、エジプト、インドとは近日中に事前交渉を開始するとしている。

(注)ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス。

(高橋淳)

(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス、イラン、中国)

ビジネス短信 26bdf28ff0160eea