トランス脂肪酸の原因となる部分水素化油脂使用禁止を一部延期
(米国)
シカゴ発
2018年05月31日
米国食品医薬品局(FDA)は2015年6月16日に、トランス脂肪酸の原因となる部分水素化油脂(Partially Hydrogenated Oils:PHOs)が「安全と認められる(generally regarded as safe: GRAS)食品」ではないとし、2018年6月18日までに添加物として承認を受けていない限り、使用は禁止することとしていた。これを受け、食品事業者は、PHOsを使用しない代替材料への切り替え、またはPHOsの使用継続許可に関する食品添加物申請(food additives petition)を提出することが求められていたが、FDAは一部について順守期限を延期した。
市場に出回っている商品は順守期限が1年半延期に
しかし、業界団体から「当初順守期限だった2018年6月18日以前に製造され、既に市場に出回っている商品の中には、賞味期限が長いものも含まれており、市場から完全に撤廃させるにはさらなる期間が必要だ」といった声が聞かれたことなどから、FDAは2018年年5月18日、その順守期限を2020年1月1日まで延期した(表1参照)。
ただし、業界団体の意見を踏まえ、以下の方法で使用することとして食品添加物申請済みのものについては、それぞれさらに1年ずつ延期された(表2参照、注)。
- フレーバー、カラーリングの助剤としての使用(150ppmを超えない範囲)
- 一般の加工助剤としての使用(50ppmを超えない範囲)
- フライパンの剥離剤としての使用(最大で0.2グラム/100グラム)
(注)詳細な規定がされているので、必ずFDAのウェブサイトで確認を。
(笠原健)
(米国)
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