初の外国投資を求めカヤー州が投資フォーラムを開催

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2018年06月07日

ミャンマー東部・カヤー州への投資誘致を目的とした投資フォーラムが5月25日、ミャンマー投資委員会(MIC)、計画財務省・投資企業管理局(DICA)、カヤー州投資委員会(KIC)の主催で州都ロイコーにて開催され、約600人が参加した。

カヤー州は、面積は1万1,731平方キロ、人口28万人とミャンマーの7管区・7州の中で、面積、人口ともに最も小さい州だ。同州東部はタイ西部のメーホンソン県と接しており、日本の戦後賠償として1960年に完成したバルーチャン第2水力発電所があることで知られている。

エルパウンショウ州首相はスピーチで、カヤー州では水力発電による電力供給、水供給、道路整備の3つインフラが整っていること、かつて紛争があった少数民族との間とは和平が達成されていることを強調し、カヤー州への投資を呼び掛けた。カヤー州では外国人が許可なく入れる地域が限定されてきたが、近年緩和されつつある。

農業、鉱業の豊富な資源をアピール

アウンナインウーDICA局長は、農業、鉱業、観光業、工業をカヤー州における投資可能性分野として挙げた。続いて、農業省、鉱業省、観光省などの担当者から、農業分野ではコメ、ゴマ、メイズが主要な産品で、収穫後の保管や加工の技術にニーズがあること、鉱業分野ではスズやタングステンなどが豊富に取れること、観光分野では豊かな自然を生かしたエコツーリズムなどが可能であること、工業分野では新投資法に基づく投資について7年間の税務恩典が受けられることなどが紹介された。なお、MICによる認可が必要とされている分野に該当しない限り、500万ドル以下の投資については州政府に認可権限がある。

フォーラム後半では、英国の国際開発援助省(DFID)などの支援機関や投資家らによるパネルディスカッションが行われ、オランダのデハウス(De Heus)がカヤー州にて養豚事業を計画していることが発表された。実現すれば、カヤー州への最初の外国投資案件となる。

フォーラムの後にはビジネスマッチングが、翌日には水力発電所や観光資源などを視察するツアーが開催された。

写真 開会式の様子(ジェトロ撮影)

(菊池芙美子)

(ミャンマー)

ビジネス短信 641c429fe79bf2ed