首都空港で中央アジア最大の貨物ターミナル竣工

(タジキスタン)

欧州ロシアCIS課

2018年07月06日

首都空港であるドゥシャンベ国際空港で6月25日、日本政府の支援で建設された貨物ターミナルが竣工(しゅんこう)した。現地報道によると、中央アジア最大となるターミナルは3,986平方メートルで、うち2,404平方メートルが貨物区画。2階建てのオフィスは1,582 平方メートルで、2万トンの食肉加工品と果実を保管できる冷蔵倉庫と大型レントゲン設備を設置。日本側の関係者によると、年間の貨物処理能力は現状(2,450トン)の約5倍となる1万2,000トン(注)。空港公社スタッフのトレーニングなどを経て、ターミナルの供用開始は8月ごろとなる見通し。

建設に当たっては日本政府が22億7,000万円を供与(無償資金協力)。2014年に合意され、2017年2月から工事が開始。設備はノルウェー、ドイツ、ベルギー、日本から調達され、2017年には航空保安機材〔計器着陸装置(ILS)、標準式進入灯(PALS)〕や貨物ターミナル用機材などが日本企業を通じて納入されている。

タジキスタンの空港建設管理者は、冷蔵倉庫のある貨物ターミナルの完成で農産物や食肉製品を航空貨物でロシアなどに輸出できるようになると説明。一方、生鮮野菜・果実分野の市場調査機関イーストフルーツは、同管理者が試算した物流費用は現実より安過ぎるとし、タジキスタンにはロシア市場などへの参入に必要な品種育成、包装、冷蔵保管に関する経験と知識がなくソフト面での積み上げが必要で、青果・生鮮食品の輸出にはある程度の期間が必要、との見方を示している。

(注)人的リソースにも影響されるため、1万2,000トンは確定値ではない。

(高橋淳)

(タジキスタン)

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