インド理工系人材活用セミナーを開催

(インド、日本)

新興国進出支援課、商務・情報産業課

2018年09月27日

国際協力機構(JICA)はジェトロと9月10日、5回目となる企業、留学生双方に向けた「インド理工系人材活用セミナー」を都内で共催した。同セミナーは講演と交流会の2部構成で開催され、企業16社26人と奨学生38人が参加した。

JICAは、2012年よりインド工科大学ハイデラバード校(IITH)と日本企業との産学連携、ネットワークを目的にJICA-FRIENDSHIPプロジェクトを実施している。この一環として、IITH卒業生に対し奨学金を付与し日本国内の各大学への留学を支援しており、現在までに73人の奨学生が日本国内12大学へ留学している。

セミナーではまず、平野修一ジェトロ総括審議役(国際展開支援担当)から、各種調査・統計に基づく、高度外国人材活用に取り組む企業への留意点として、「高度人材の中でも留学生は、自分が成長できるかどうかに関心が高く、採用時においては、企業は留学生にキャリアプランを提示することが重要」と指摘。また、入社後の取り組みとして、「外国人材が孤立しないようサポート体制の整備や社員間の交流促進を図ることなどが定着のために有効」とした。

続いて登壇した株式会社ワークスアプリケーションズの清水英行氏からは、実務経験に基づくインド人材採用の工夫について発表があった。採用においては、IITHにはオープンプレースメントウィーク(OPW)という、大学から選考日程を指定されるルールがある点について紹介があった。また、採用後の取り組みとして、来日前に同じインド出身の先輩社員と面談させ日本の生活環境を伝える「バディ制度」や、外国人が賃貸住宅を借りにくい状況を踏まえ、来日後1カ月間利用可能で、希望すれば入社後も住み続けられる「シェアハウス滞在制度」といった同社の工夫について披露した。

写真 自社の取り組みについて説明する清水氏(ジェトロ撮影)
写真 セミナー後に交流する企業担当者と学生(ジェトロ撮影)

(河野尭広)

(インド、日本)

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