世界銀行がモンゴルの経済成長見通しを引き上げ

(モンゴル)

北京発

2018年11月08日

世界銀行の報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(10月4日発表)によると、2018年のモンゴルの経済成長見通し(実質GDP成長率)は5.9%となり、前回(7月時点)の予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(5.5%)よりも0.4ポイント引き上げられた。

同報告書によると、個人消費の堅調な増加と鉱業・製造業の民間投資が好調なことから、2019年には成長率が6.6%とさらに加速すると予測している。

2018年上半期の実質GDP成長率は、堅調な資源輸出や対内直接投資の増加などを受けて、予想を上回る6.3%となった。これには、政府が経済再生計画を着実に実行したことによる景況感の改善も貢献した。また、労働市場の好転によって、第2四半期の失業率が前年の9.6%から2ポイント超低下したほか、個人消費も5.7%増と回復した。

政府の財政状況は引き続き大きく改善しており、財政収支のGDP比は、2017年上半期のマイナス0.8%(赤字)から、2018年上半期は2.8%(黒字)となった。これは、石炭および銅の輸出増加により予想を上回る税収があったことと、債務利払いの削減、採算性の低い設備投資の合理化など財政支出抑制策が効果を上げたことによる、と報告書は説明している。

さらに、報告書は「世帯所得の改善は、2016年以降増加した貧困人口の削減に大きく寄与する」と期待する一方、「今後の見通しに対するリスクとして、政治的不確実性、原料価格の急落、中国との国境での物流の滞留、マネーロンダリング対策の不備などがある」とも警告している。

(藤井一範)

(モンゴル)

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