閣僚2人が交代、新任はともに女性

(スイス)

ジュネーブ発

2018年12月20日

スイス連邦議会(両院)は12月5日、2018年末に退任する2人の閣僚の後任を選出する投票を行った。フィオラ・アムヘルド氏(キリスト教民主党)とカリン・ケラー=ズッター氏(急進民主党)が選出され、新たに2人の女性閣僚が誕生した。併せて、担当の再配分が行われ、12月10日に内閣の新担当ポストが決定された。

今回の投票は、2018年12月31日で退任する環境・運輸・エネルギー・通信相のドリス・ロイトハルト氏(キリスト教民主党)と経済・教育・研究相のヨハン・シュナイダー=アマン氏(急進民主党)の後任を決めるためのもの。

スイスの内閣制度はユニークで、連邦議会から選出された7人の閣僚によって構成されるが、言語、宗教、地域の多様性、平等性を確保するため、主要4党に対して不文律で2、2、2、1でポストが配分される。各閣僚が担当するポストは、現職閣僚7人による協議によって決定されるため、空席となるポストへの就任を要望したシモネッタ・ソマルガ氏らが優先的に新ポストを確保し、それに伴って空いたポストに新任のアムへルド氏とケラー=ズッター氏が配置されたとみられる。

2019年のスイス連邦参事会(内閣)のメンバーは次のとおり。

  • 大統領 ウエリ・マウラー/兼財務相(留任)
  • 副大統領 シモネッタ・ソマルガ/兼環境・運輸・エネルギー・通信相(法務・警察相から交代)
  • アラン・ベルセ/内務相(留任)
  • ギー・パルムラン/経済・教育・研究相(防衛・国民保護・スポーツ相から交代)
  • イグナツィオ・カシス/外相(留任)
  • フィオラ・アムヘルド/防衛・国民保護・スポーツ相(新任)
  • カリン・ケラー=ズッター/法務・警察相(新任)

閣僚ポストに対する現地プレスの反応は、主に2つある。1つ目は、3年間防衛相を務めたギー・パルムラン氏が、経済相へとポストが変わることへの批判だ。現在、防衛分野は改革の途中であるため、同氏が引き続き担当閣僚を務めるべきだと指摘されている。加えて、現在、緊迫状態にあるEUとの2国間枠組み交渉に関して、パルムラン氏がどのように対応するかが注目されている。

(城倉ふみ、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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