ネスレがベラクルス州に新たなコーヒー工場を建設

(メキシコ)

メキシコ発

2018年12月28日

ネスレ・メキシコ(Nestlé México)のファウスト・コスタ社長は12月18日、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領と会見し、ベラクルス州に約1億5,000万ドルを投じ、新たにコーヒー工場を建設することを伝えた。同社のプレスリリースによると、メキシコ産のコーヒー豆を使用する工場で、実現すれば、メキシコがネスレにとって最大のコーヒー供給国となる。同社は、メキシコにおいて約90年にわたって食料品を生産しており、既に7つの工場を操業。農産品について、畑での収穫から加工、消費者の元へ届けるための流通網を確立している。

新工場は、年間2万トンのコーヒー豆を加工する予定。電力の100%を再生可能エネルギーで賄い、コーヒーのもみ殻の全てを電力の生産に充てる計画だ。工業用水を再利用するための浄水設備を設置するなど、世界標準の品質管理と安全性を実現する設備を採用する。

雇用については、建設工事に1,500人が動員され、操業の初期段階には250人の直接雇用、2,500人の間接雇用を生むとしている。新工場の操業が軌道に乗れば、1,200人の直接雇用と1万2,000人の間接雇用が創出されることを見込む。

自動車産業を上回る食品産業の事業規模

国立統計地理情報院(INEGI)によると、メキシコの加工食品産業(飲料、たばこ産業を含む)の2017年の粗付加価値額は9,817億8,900万ペソ(約5兆3,998億円、1ペソ=約5.5円)と、自動車産業を中心とした輸送機器製造業の8,314億8,050万ペソを1,500億ペソ強も上回る。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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