訪日のルワンダ大統領、ICT産業などで日本企業に期待

(ルワンダ、日本)

中東アフリカ課

2019年01月10日

ルワンダのポール・カガメ大統領が訪日した機会を捉え、ジェトロと在日ルワンダ大使館は1月9日、「日本ルワンダ・ビジネスフォーラム」を東京都内で開催し、約250人が参加した。

開会あいさつで石毛博行ジェトロ理事長は、ルワンダの情報通信技術(ICT)立国の背景や、カガメ大統領がアフリカ連合(AU)議長としてアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の設立を推進したことなどを紹介した。来賓の山際大志郎衆議院議員・日本AU友好議員連盟事務局長は、ルワンダに進出した日本企業が過去4年で3社から24社に増加したことや、神戸市や岩手県八幡平市など自治体がリードする2国間の経済交流を説明した。続いて、経済産業省の柴田裕憲大臣官房通商政策局担当審議官は、アフリカやルワンダへの日本企業の関心が高まっており、さらなる進出企業の増加に取り組みたい、と述べた。

写真 多くの聴衆が詰めかけたフォーラム会場(ジェトロ撮影)

多くの聴衆が詰めかけたフォーラム会場(ジェトロ撮影)

カガメ大統領は基調講演を行い、ルワンダの発展がよく言われるが、まだ十分ではなく、復興のプロセスにあるとし、日本の貢献がルワンダに力を与えており、日本のサポートは不可欠だ、と述べた。同国政府が進める「キガリイノベーションシティ(KIC)」計画はルワンダの経済ビジョンの基礎で、日本企業の参画を望む、と訴えた。最後に、1960年代にルワンダ中央銀行総裁を務めた服部正也氏を引き合いに、両国間の長い協力の歴史に触れ、今後さらに関係を深めたい、と締めくくった。

写真 フォーラムで講演するカガメ大統領(ジェトロ撮影)

フォーラムで講演するカガメ大統領(ジェトロ撮影)

ルワンダ開発庁(RDB)のエマニュエル・ハテゲカ副総裁は、治安の良さなど同国のビジネス環境、投資インセンティブ、投資機会やアフリカの地域統合について説明した。また、ポーラ・インガビレICT・イノベーション相は、同国のICTセクターとKICを紹介した。

ルワンダでビジネスを手掛ける、Momoの大津真人代表取締役とレックスバート・コミュニケーションズの田中秀和代表取締役も登壇し、それぞれ農家向けシステム(アプリ)、ソフトウエア開発サービス事業を紹介した。フォーラム終了後にはネットワーキングも開催され、ルワンダから来日した約40人のミッションが日本企業と交流を深めた。フォーラムのスピーチでも触れられたように、ルワンダに進出する日本企業はこの数年で増加傾向にある。大統領や閣僚が自ら訪日して、日本企業に進出を呼び掛けたことで、この動きに弾みがつくか注目される。

(小松崎宏之)

(ルワンダ、日本)

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