南部3州の州知事、就任演説で地域経済の強み語る

(米国)

ヒューストン発

2019年01月18日

2018年11月6日に行われた中間選挙(2018年11月8日記事参照)の結果、南部3州で、前職が再選したアーカンソー州とテキサス州、新任のオクラホマ州の各州知事が1月14、15日にそれぞれ就任演説を行い、任期中の重点政策や地域経済の強みについて語った。

オクラホマ州のケビン・スティット知事は1月14日、支持者への感謝を述べるとともに、同州が今後、米国の教育やビジネスなどの分野で上位10州を狙える要素や、それに向けた決意に言及。「オクラホマには、タイヤ大手グッドイヤー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの世界最大の製造施設をはじめ、アメリカン航空の整備施設があり、手芸用品チェーン店ホビー・ロビー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますやドライブ・イン・ファストフード店のソニック・ドライブ・イン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどの誕生地でもある。肉牛、小麦などの農作物の生産は国内で上位5位に入り(注)、ほかにも多くの豊富な資源に恵まれており、それらは国内のエネルギー生産の主導的な役割を果たすことも可能にしている」とし、「オクラホマ州はビジネスにオープンであり、われわれは地域ビジネスの発展をもっとサポートし、さらにオクラホマ州を世界へ、そしてさらに世界をオクラホマ州に導いていきたい」と述べた。

アーカンソー州のエイサ・ハッチンソン知事は1月15日、このところ州経済が徐々に回復し、他州へ流れていった労働人口が同州へ戻り、今や人口が300万人を超えて州内の人材も再構築されていると、地域経済の成長を指摘。「われわれは、起業家精神、農業、小売業、そして技術教育においてリードできることを証明している。コンピュータサイエンス分野では、教育機関への導入が増加したことで、技術関連企業などのアーカンソー州への進出や誕生も増えた。私の今後の目標の1つは、アーカンソー州を技術関連企業が集積する中核とし、地域経済に新しいチャンスや多様性をもたらすことだ」と、政策目標について語った。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は1月15日、「過去4年間に100万人以上の新規雇用を生み、失業率も低水準を記録している。農業、エネルギー産業、輸出業においては国内でも他に競争を寄せ付けない位置に立ち、ヘルスケア、金融、そしてテクノロジー分野では主導権を握っている」とし、「テキサスは現在、経済のトップに立っていることは疑う余地がない」と経済の強みに言及した。

(注)2012年版の米国農業センサスのデータによれば、オクラホマ州の肉牛飼育頭数は全米5位、小麦の作付面積は全米4位。

(内田香織里)

(米国)

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