政府系電力会社SP、EV用充電器を2020年までに1,000台設置へ

(シンガポール)

シンガポール発

2019年01月17日

政府系電力供給会社シンガポール・パワー(SP)グループは1月9日、同国内の商業施設や産業施設など計8カ所に電気自動車(EV)用急速充電器を38台設置したと発表した。同社は2018年10月、拡大するEVの充電需要を受けて、2020年までに急速充電器を1,000台設置すると発表しており、今回はその第1弾となる。SPグループ以外では、フランスの自動車シェア企業ブルーSGなど6事業者が、急速充電器の国内設置を進めている。

今回設置された急速充電器は、出力43キロワット(kW)のAC充電器と出力50kWのDC充電器の2種類で、それぞれ19台設置された。DC充電器でEVを充電する場合は、30分以内にフル充電が可能だという。さらに、同社は今後数年間で、最大出力350kWのより高出力なDC充電器を準備する予定だ。利用者は携帯アプリを通して、現在地から最も近い急速充電器の設置箇所検索や電子決済での支払いが可能となる。

写真 シンガポール・モーターショー2019(1月10~13日開催)での様子。現代自動車のEV「コナ・エレクトロニック」(左)と急速充電器(右)(ジェトロ撮影)

シンガポール・モーターショー2019(1月10~13日開催)での様子。現代自動車のEV「コナ・エレクトロニック」(左)と急速充電器(右)(ジェトロ撮影)

地場企業との連携でEVの普及促進

一方、SPグループは、EVの利用促進で関連企業との提携を加速している。シンガポールの配車アプリサービス会社のグラブは1月10日、現代のEV「コナ・エレクトロニック」200台を購入したと発表した(「ビジネス・タイムズ」紙1月10日)。グラブとSPグループは2018年8月、EV活用に関する戦略提携を発表しており、グラブのEV購入はその一環でもある。グラブは、第1弾として、契約ドライバー向けにEV20台の貸し出しを開始し、残りについては、2019年末までに段階的に導入を進めていくとした。

なお、SPグループは2018年10月、地場EVタクシー会社HDTと、EVタクシーへの充電に関する提携を発表した。HDTは、2022年までにEVタクシー800台を導入する計画だ。

(源卓也)

(シンガポール)

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