第1四半期の貿易総額は1.5%の微減、対米国が15.4%減に

(中国)

北京発

2019年04月19日

海関(税関)総署の4月12日の発表によると、2019年第1四半期の貿易総額は前年同期比1.5%減の1兆272億1,000万ドルとなった。うち輸出は1.4%増の5,517億6,000万ドル、輸入は4.8%減の4,754億5,000万ドルで、763億1,000万ドルの黒字(前年同期比57.7%増)となった。元建てでは総額が3.7%増、輸出が6.7%増、輸入が0.3%増といずれも増加した。

主要国・地域別の貿易額をみると、米国が15.4%減となり、日本、韓国も減少した一方で、EU、ASEANは増加した(表参照)。輸出は、米国、香港向けが減少、EU、ASEAN、日本向けは増加した。輸入は、EU以外の主要国・地域がいずれも減少した。中でも、米国からの輸入は31.8%減となった。

表 中国の主要国・地域との貿易額

税関総署の分類に基づく品目ごとにみると、輸出額では携帯電話、自動車部品、液晶ディスプレーなどが減少した一方、集積回路、自動車完成車、モーター、精油などは増加した。輸入額では、集積回路が7.7%減となったほか、自動車完成車、銅・銅材、自動車部品、大豆、液晶ディスプレーが2桁減となった。また、天然ガス、医薬品、重量2トン以上の航空機は2桁増となった。

なお、3月単月では、輸出額が14.2%増(元建てでは21.3%増)と大幅に伸びた。3月の米国向け輸出も3.7%増(元建てでは10.2%増)と増加した。税関総署の李魁文報道官は、米中貿易摩擦が第1四半期の対米貿易に与えた影響について、3月の実績を指摘しつつ、一定の影響はあったが、全体的にはコントールされているとの見方を示した。

李報道官は、第1四半期の貿易が安定した成長を遂げたと評価し、3月のPMI指数の上昇など国内経済の回復、輸出・輸入単価の上昇、安定した為替レートなどが貿易の安定的な成長に寄与したと説明した。

商務部国際貿易経済合作研究院国際市場研究所の白明副所長は、3月の貿易について、2018年に行われた輸出増値税還付率の引き上げなど、一連の措置の効果が表れ始めたことなどを挙げた。また、3月の輸出については、米中貿易摩擦による関税率引き上げを見込んだ「駆け込み輸出」の反動減が、一定程度に抑えられたことを示すと指摘した(「21世紀経済報道」4月15日)。

(小宮昇平)

(中国)

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