アフリカ大陸自由貿易圏が発効目前

(エチオピア、アフリカ)

アディスアベバ発

2019年04月05日

ガンビア国民議会は4月2日、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定の批准を承認した。批准の22カ国目となる。22カ国がアフリカ連合(AU)委員会に正式書類を寄託した日から30日後に発効する(注)。現在15カ国が寄託している。AUのアルベルト・ムチャンガ貿易産業委員は、7月に開催されるAU特別首脳会合での発効を目指すと過去に発言しており、今回の批准を受け、「7月の実行段階への移行に向けた一歩になる」とツイートした。

AfCFTAの設立は、2012年1月にアディスアベバで行われた第18回AU首脳会合で基本合意し、2018年3月のAU臨時首脳会合でアフリカ44カ国が協定に署名した(2018年5月14日記事参照)。これまでに南アフリカ共和国を含む8カ国が追加で署名し、署名国は52カ国だ。国内の反対意見が根強いナイジェリア、エリトリア、ベナンは署名を見送っている。

全てのAU加盟国がAfCFTAに参加した場合、域内人口12億人、域内総生産2兆5,000億ドルの巨大市場が誕生。AfCFTAにより、物品関税90%の廃止を目指しており、国連アフリカ経済委員会の試算によると、2022年までに域内の貿易額は現行水準から52%増加すると期待されている。

(注)AfCFTA設立協定に署名した国のうち、22カ国の批准と寄託をもって発効となる。

(山下純輝)

(エチオピア、アフリカ)

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