外貨購入税の再導入を決定、一般の外貨購入が対象

(トルコ)

イスタンブール発

2019年05月16日

トルコでは5月15日付の官報、大統領令1106号で、通貨トルコ・リラを外国通貨に交換する際に、両替総額の0.1%の外貨購入税が課されることになった。一般の外貨購入が対象となり、銀行の外貨購入や銀行間の両替取引、財務省の外貨購入、外貨ローンを組んだ人の外貨購入は対象外となっている。

外貨預金率の上昇に歯止め

外貨購入税は、トルコで1998~2008年に実施され、その時の税率も0.1%だった。今回の同税制再導入の背景には、景気低迷および、銀行金利とインフレ率のバランスが崩れていることで、トルコ国内の外貨預金率が急上昇していることがある(図参照)。既に市場では、リラ離れとドル化の進行が指摘されている。

図 銀行預金の割合

政府は、外貨購入税の再導入により、外貨の交換コストを引き上げ、外貨預金率の上昇を押しとどめ、歳入に寄与させることを期待している。ブルームバーグHTの報道によると、金融専門家のレジェプ・アタカン氏は「トルコ国民の銀行を通じた両替総額は1日に約40億ドルで、大まかな計算でも、政府予算に年間30億~60億リラ(約540億~1,080億円、1リラ=約18円)規模で貢献する可能性がある」と分析している。

(エライ・バシュ)

(トルコ)

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