カメラに対する製品マーキング貼付試験を開始

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年05月31日

連邦政府は5月15日、ロシア連邦域内でカメラ(映画用カメラを除く)、フラッシュライト、フラッシュランプ(HS 9006に該当するもの)に対して、製品流通経路の把握に向けたマーキング識別手段の貼付に関連する試験を実施すると発表した。本試験の実施は2019年5月14日付連邦政府決定第589号に基づくもので、対象期間は5月15日~11月30日。本試験への流通関係者(メーカー、輸入者、卸売・小売事業者)の参加は任意としている。

本試験の目的は、a.製品流通状況をモニタリングする国家情報監視システム(以下、情報システム、2019年5月13日記事参照、注)の運用確認、b.試験を通じた関税・諸税の税収増への貢献に関する把握、c.監督当局および市場参加者などとの情報連携体制の運営確認、d.対象製品の生産・流通を管理する法令案の策定などのため、と説明している。

試験を行う政府機関は、産業商務省、デジタル発展・通信・マスコミ省、連邦保安局(FSB)、連邦税務局(FNS)、連邦税関局(FTS)、連邦消費者権利保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)。主担当となるのは産業商務省で、本試験実施に伴う流通関係者との調整と管理、試験方法と実施計画の策定、試験実施報告書の連邦政府への提出に従事する。FNS、FTS、ロスポトレブナドゾルは試験に必要な情報を共有する。

産業商務省は今後、試験実施に伴う、マーキング識別手段の作成と製品への貼付方法、マーキング貼付・読み取りに用いる設備・機器、製品の部分品の扱い、試験参加申請方法と情報システムへの登録方法、試験参加者との情報交換手続きなどを規定する予定。マーキング識別手段の貼付に関する試験は、これまでに毛皮製品や医薬品などを対象に実施されていた。

マーキング識別手段の貼付義務化は、2019年3月のたばこ製品(HS 2402)への導入を皮切りに、7月に靴製品(HS 6401~6405)に対して、12月には香水・オーデコロン(HS 4011)、ゴム製空気タイヤ(HS 4011)、衣類(HS 4203 10)、女性用のブラウス・シャツ(HS 6106)、男性用・女性用オーバーコートなど(HS 6201~6202)、リネン製品(HS 6302)、カメラ(映画用カメラ除く)、フラッシュライト、フラッシュランプ(HS 9006)にも拡大される。

(注)ロシアにおける公式オペレーターは有望技術発展センター(CRPT)(2019年4月10日記事参照)。

(齋藤寛)

(ロシア)

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