オープンイノベーションイベント「ビバ・テクノロジー」に12万人以上が集結

(フランス)

パリ発

2019年05月27日

フランスのオープンイノベーションイベント「ビバ・テクノロジー2019外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が5月16~18日、パリで開催された。経済紙「レ・ゼコー」と広告代理店ピュブリシスによる民間主導のイベントだが、大統領が毎年登壇し、イノベーション創出を柱とするフランスの国家戦略を世界に発信している。

開催4年目の今回は125カ国から約12万4,000人(前年比24%増)が来場。1万3,000 社を超えるスタートアップ企業、約3,300人の投資家、約2,500人のメディアが集結した。

例年、ブース出展に加え、ピッチコンクールや講演、ビジネスマッチング、ワークショップなどが実施される。今回はグローバル企業のトップや起業家など約450人をスピーカーに迎え、人工知能(AI)、第5世代移動通信システム(5G)、ブロックチェーン、コネクテッドヘルスケア、新宇宙開発競争などのテーマを中心に、150以上のセッションが繰り広げられた。

イベントでは、大企業や公的機関などのパートナーが「オープンイノベーションラボ」と呼ばれるブースを主催する。スタートアップが出展するのは、パートナーのアクセラレーションプログラム傘下である場合と、パートナーが開催数カ月前に公募する「チャレンジ(解決すべき課題やテーマ)」に応募し、採択され、パートナーのブースで展示やピッチを行う場合だ。

「チャレンジ」のテーマ例としては、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の「未来のカスタマーエクスペリエンス(顧客経験:商品・サービス提供時に心理的・感覚的付加価値も提供すること)の提案」、大手広告代理店ジェイシーデュコー(JC DECAUX)の「世界NO.1の屋外広告の提案」がある。2018年は102件の「チャレンジ」の公募、8,418社の応募があり、95カ国から1,112社のスタートアップが選抜され出展・ピッチ参加を果たした。2019年の公募・応募数はそれを上回ったという(2019年の実績数は主催者集計中)。

日本からは、フランス大手電気通信企業オランジュに選抜されたスタートアップ4社、パリ市の地域経済開発公社パリ・レジオン・アントルプリーズに選抜されたスタートアップ3社が出展した。ジェトロはこれら7社に、「グローバル・アクセラレーション・ハブ」事業の一環として、メンタリング、ビジネスマッチングなどの支援を提供した。

写真 ビバ・テクノロジー2019の会場(ジェトロ撮影)

ビバ・テクノロジー2019の会場(ジェトロ撮影)

(遠藤朋美)

(フランス)

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