エア・カナダ、エア・トランザット買収で合意、約5億2,000万カナダ・ドル

カナダ最大の航空会社のエア・カナダは6月27日、3位のエア・トランザットを買収することで合意したと発表した。規制当局やエア・トランザット株主の承認後、エア・カナダはエア・トランザットの発行済み株式を1株当たり13カナダ・ドル（約1,066円、Cドル、1Cドル＝約82円）で買い取る。買収額は約5億2,000万Cドルになるもようで、買収の完了は2020年初めを見込んでいる。発表によると、買収完了後もエア・トランザットの企業名は維持されるとともに、本社や主要機能はモントリオールに残る。エア・トランザットは休暇旅行に特化した航空会社で、欧州や北米、中南米の約60都市に就航しており、5,000人の従業員がいる。

エア・カナダ社長兼最高経営責任者（CEO）のカリン・ロビネスク氏はプレスリリースで、「（エア・トランザットとの）この組み合わせは優れた価値をもたらし、同時に両社従業員の雇用の安定性を高める」と述べた。エア・トランザット社長兼CEOのジョン＝マーク・ウスタッシュ氏は、エア・カナダの強力なネットワークとの組み合わせにより、トランザットは新たな展望を見通すことができ、トランザットの全ての利害関係者にとってこの取引は最良の選択だ」と発言した。

エア・トランザットは4月30日に企業の売却に向けて複数の企業と事前協議を行っていることを明らかにし、5月16日には、エア・カナダとの最終合意に向けて、30日間の独占交渉を行うことを明らかにしていた。また、カナダの航空業界では、競争力強化に向けた再編が起きており、5月にはカナダ投資会社のオネックスが国内2位のウェスト・ジェットの約50億Cドルでの買収を発表したばかりだ。

（中溝丘）