習国家主席がG20サミット出席へ、注目される米中首脳会談

(中国、米国)

中国北アジア課

2019年06月26日

中国外交部は6月23日、習近平国家主席が6月28~29日に大阪で開催される第14回主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に出席するため、27~29日の日程で大阪を訪問すると発表した。習氏の訪日は、2013年の国家主席就任後初めてとなる。

外交部は6月24日に記者会見を開催し、外交部の張軍部長助理が「中国は多国間主義を支持し、国際法を基礎にした国際秩序を守り、世界の公平と正義を守りたい」と発表した。商務部の王受文副部長は「G20が多国間貿易体制を支持し、単独主義および保護主義に反対するという認識をさらに強めることを期待する」と述べた。また、張部長助理は、習氏のG20への出席(主宰を含む)が7回連続となることについて、「中国がG20への協力とグローバル経済のガバナンスを重視していることの表れだ」と強調した。

習氏は今回のG20首脳会議の全体会議に出席し、世界の経済と貿易、デジタル経済、持続可能な開発、インフラ、気候、エネルギー、環境などの議題に関する討議に参加する予定。

また外交部は、習国家主席が複数の国の指導者と2国間会談を行い、関係諸国との協力を深めることにも尽力すると発表した。ロシア、インドとの3カ国首脳会談、新興5カ国(BRICS)首脳の会談にも臨むことを明らかにした。

さらに、耿爽報道官は6月25日の定例記者会見で、G20期間中に米中首脳会談を開催することについて、「非常に重要な会談となる。両元首は両国関係に関する根本的問題について意見を交換する」と言及した。そして、「(今回の米中首脳会談は)双方の相互信頼を深め、意見の相違を解消するのに役立ち、双方が現在直面している幾つかの問題の解決に役立つものとなることを希望している。中国は常に米国と共に、協調、協力、安定を基調とする米中関係を発展させるため尽力している。米国が中国と互いに歩み寄り、共に努力することを希望する。これは両国の利益に合致し、国際社会の共通の期待でもある」と述べた。

米中両国は、5月の閣僚級の貿易交渉会合の決裂後、交渉が途絶えていたが、6月24日に中国の商務部は交渉を再開したことを明らかにしており、今回の両国首脳会談の際に何らかの成果がみられるか注目される。

(清水絵里子)

(中国、米国)

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