物品税の対象品目を12月1日から拡大

(サウジアラビア、オマーン)

リヤド発

2019年06月19日

サウジアラビアのザカート・国税庁(GAZT)は6月17日、たばこ(同派生製品を含む)と炭酸飲料・エナジードリンクに2017年6月から課していた物品税(それぞれ100%と50%)の対象品目を拡大すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同庁が発表した追加品目は次のとおり。これらの品目は12月1日以降、50%の物品税課税の対象となり、消費者にとっては事実上、小売価格が値上げされることとなる。

  1. これまでの炭酸飲料、エナジードリンクに加え、砂糖入り飲料(粉状、ゼリー状、濃縮タイプなど砂糖入り飲料になり得るあらゆる形状のもの)
  2. 牛乳が75%未満の砂糖入り飲料
  3. 砂糖などを添加したフルーツジュース

砂糖入り飲料に加え、「たばこ」(課税100%)の範囲に電子たばことその液体カセットも含まれるようになる見込みだ。

肥満をはじめとする国民の健康への影響を理由に、湾岸協力会議(GCC)諸国は上記品目への課税に合意しており、その導入時期や税率は各国に委ねられてきたが(2017年8月1日記事参照)、6月18日付の当地英字紙「アラブ・ニュース」によると、オマーンがサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)より一足遅れて、6月15日からたばこ(100%)と砂糖入り飲料(50%)の物品税を導入したと報じられている。

サウジアラビアでは、国家改革計画「ビジョン2030」(2016年4月発表)の中で、充実した生活と健康の推進に向けて、「国民の平均寿命を74歳から80歳へ引き上げること、少なくとも週1回運動する人の割合を13%から40%に引き上げること」が具体的に記述されるなど、政府として国民の健康維持・増進に対する関心は高い。

(柴田美穂)

(サウジアラビア、オマーン)

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