サバンジュ、商用車生産をスイス企業に売却

(トルコ)

イスタンブール発

2019年06月07日

トルコ財閥のサバンジュ・ホールディングは5月29日、バス・軽トラック生産子会社のテムサ(TEMSA)の全株式をスイスのトゥルー・バリュー・キャピタル・パートナーズ(True Value Capital Partners)に売却したことを明らかにした。

TEMSAはトルコ南部のアダナ工場でバスと軽トラックを製造しており、企業価値は名目上8億2,500万トルコ・リラ(約1​​億4,200万ドル、1ドル=約5.8トルコ・リラ)と評価されていたが、債務と現金保有分調整後の3億7,500万リラを基準に売却された。TEMSAは年間、バス4,000台、軽トラック7,500台を生産し、欧米や周辺国にも輸出している。

トルコ有数のコングロマリットであるサバンジュは数年来、グループ企業の再編を進めており、製造業部門はタイヤ、化学繊維を中心とした分野に集約してきた。進出日系企業との関係では、かつてトヨタ、矢崎総業といった自動車産業のパートナーだったが、現在はブリヂストン(Brisa)のみとなっている。

サバンジュは今回の決定について、傘下のアクバンク、エネルジサを中核とした金融、エネルギー分野への技術的、戦略的な集約を図るためとしている。エネルジサは、翌30日に行われた国内4カ所での風力発電所計画(250MW)の入札案件で、バルケシルとムーラの2カ所を落札した。

(中島敏博)

(トルコ)

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