大麻使用合法化についてセミナーを開催、職場での大麻使用に対する雇用主の対応を解説

(米国)

シカゴ発

2019年07月30日

ジェトロは7月18日、シカゴ市郊外で日系企業を対象とした法務セミナーを開催し、イリノイ州で2020年1月から嗜好(しこう)用大麻の使用が合法化される(2019年7月2日記事参照)に当たっての雇用者の対応について解説した。

写真 シカゴ周辺日系企業の関心は高く、ほぼ満席の会場(ジェトロ撮影)

シカゴ周辺日系企業の関心は高く、ほぼ満席の会場(ジェトロ撮影)

セミナーでは、嗜好用大麻の使用における雇用主の権利および従業員への対応を中心に講師から説明があった。雇用主がすべきことの1つとして、エンプロイーハンドブック(就業規則)の再確認が挙げられた。雇用主には、従業員の就業中の大麻使用を禁止する権利があるが、大麻使用を禁止する場合には、就業中の使用禁止を規則上で明文化するなどの対応が必要だという。

また、雇用主が従業員に対して行うドラッグ・テスト(薬物検査)は、明らかな理由がある場合のみ認められることや、ランダムにテストを行う場合には、従業員を恣意(しい)的に選択するなど差別的に扱ったり、従業員のプライバシーを不当に侵害したりすることのないよう留意が必要とした。

質疑応答では、日本人駐在員の嗜好用大麻の使用について質問があった。講師は、駐在員に限らず、日本国民は外国においても日本法の適用を受ける場合があり、そのため、米国でも米国法および日本法の双方が適用される可能性があると回答した。なお、大麻の使用が州法で合法であっても、依然として連邦法上は禁止されていることが付け加えられた。

(大土萌子、飯田桃子)

(米国)

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