ジャワ島が広域で停電、一部日系企業にも影響

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年08月06日

インドネシアのジャワ島西部の送電線、火力発電所などで8月4日午前11時45分ごろに生じた不具合により、首都ジャカルタをはじめ、西ジャワ州、バンテン州などジャワ島の広域で停電が発生した。停電は翌5日朝までにおおむね解消したが、まだ電力供給が不安定な地域があり、一部の日系企業の操業にも影響が出ている。

ジェトロが5日午後にヒアリングしたところ、数多くの日系企業が集積する西ジャワ州ブカシ・カラワンの工業団地の多くではほぼ復旧しており、操業の上で大きな影響を受けていない状況が確認された。同工業団地では、国営電力公社(PLN)以外の民間電力会社から電力供給を受けている場合もあり、安定した電力供給が続いているもようだ。他方、PLNから電力供給を受けている区域や工業団地外に所在する企業については不安定な状況が確認された。同州ブカシの日系製造業は、停電が継続しているため工場の操業休止を余儀なくされた。西ジャワ州デポックの日系電子機器メーカーやバンテン州の素材メーカーでも操業に影響が出た。

今回の停電は一般家庭や公共交通機関、ガソリンスタンド、銀行のATMなどの国民生活にも影響を与えた。4月に開業したばかりのジャカルタ大量高速鉄道(MRT)も8月4日の営業を停止した。こうした事態を受けて、ジョコ・ウィドド大統領は5日朝、急きょPLN本社を訪問し、一刻も早い復旧を要請した。PLNは復旧作業を行っているが、現時点で見通しは明らかでなく、地元紙によると、西ジャワ州ブカシなど一部の地域では計画停電が行われるもようだ。

(山城武伸)

(インドネシア)

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