モロッコ国王が即位20周年、外資誘致と国内格差解消に意欲

(モロッコ)

ラバト発

2019年08月13日

モロッコのモハメッド6世国王は7月30日、即位20周年となる即位記念日を迎え、国内は祝福ムードに包まれた。国王は記念日に先立つ7月29日、国民に向けてスピーチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行い、今後の方向性などについてメッセージを送った。

国王は、「モロッコが先進国に成長するためには、海外からの投資や知識、経験、ノウハウの移転を促進し、国内法による規制や制約を撤廃することが必要だ」と言及した。また、「外資の流入が自国民の失業につながるという議論を乗り越え、外資への門戸を開くことで、モロッコ企業の競争力強化、雇用創出につながる」と強調した。

これまでの在位20年間で、高速道路、高速鉄道、港湾、再生可能エネルギー設備や都市改良・開発など、インフラ整備が進展したことを挙げた。一方で、国内格差が十分に解消されていない点にも触れ、人材開発と社会政策の改善が必要だとした。教育、医療、農業、投資、税制の分野の改善と効率性向上のため、官民双方から有識者を集める期限付きの諮問機関である特別委員会を2019年秋に立ち上げることを発表した。

また、国家の安全保障と発展に関する課題は一国による解決は不可能だと述べ、アルジェリアが宗教と言語を共にする国家で、マグレブの人々が共に生きていくという願いの実現のために協同できるはずだとして、同国との協力関係強化への期待感を表明した。

(石橋洋一郎、大野晃三)

(モロッコ)

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