第2回輸入博、トヨタの燃料電池車など日本企業が存在感

(中国)

上海発

2019年11月13日

上海で11月5~10日に開催された第2回「中国国際輸入博覧会(CIIE)」で、日本からの出展企業・団体数が371社・団体に達し、2年連続で国・地域別で最多の出展となった(表参照)。

表 中国の上位輸入相手国・地域およびCIIEでの出展概況

中国の主要輸入相手先を見ると、日本はトップの韓国に次ぐ2位だ。今回、日本が展示した商品は1,912品目に上り、韓国(992品目)、3位の台湾(767品目)を大きく上回った。展示品は先端技術を駆使したハイテク製品のほか、中国人の消費スタイルに合わせた商品が多かった。

ジェトロは今回、「食品・農産品」と「医療機器・医薬保健」の2分野に特化して日本企業の出展支援を行った。ジャパンパビリオンに出展した企業は158社・団体で、うち半数近くが2年連続の参加となった。中でも中小企業の出展は倍増しており、ブースでは乳製品や肉製品、水産物、日本酒、果物など多彩な展示が行われた。

写真 ジャパンパビリオン(食品・農産品館)の展示ブース(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(食品・農産品館)の展示ブース(ジェトロ撮影)

トヨタは、世界初の量産燃料電池車(FCV)の「MIRAI(ミライ)」と、航続距離でミライの3割増となる次期コンセプトカーモデルを公開した。また、水素の製造、輸送・貯蔵、応用などの関連プロセスも展示することで、水素エネルギー社会の実現をアピールした。

写真 次期「ミライ」のコンセプトカーモデル(ジェトロ撮影)

次期「ミライ」のコンセプトカーモデル(ジェトロ撮影)

ミライの中国販売計画について、トヨタの正式発表はなかったが、現地メディアによると、同社のパートナー企業である広州汽車集団の曽慶洪董事長は2019年末にミライの試験的な運用を開始すると表明している。また、広州市南沙区にミライが利用できる70メガパスカル(MPa)対応の水素充填(じゅうてん)ステーションを建設するという(「新京報」11月5日)。

中国自動車工業協会によると、2019年1~9月のFCV出荷量は前年同期の8.6倍の1,251台へと急拡大しているものの、バスやトラックといった商用車のみで、一般消費者向けのFCV乗用車の出荷はまだ行われていない。

(劉元森)

(中国)

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