オーストラリア政府が太平洋諸島向けインフラ開発融資制度を創設、日本企業に参加呼び掛け

(オーストラリア)

アジア大洋州課

2019年12月27日

オーストラリア外務貿易省(DFAT)は11月29日、太平洋諸島および東ティモールにおけるインフラ整備支援のため、入札への参加希望者(入札パネル)を募集すると発表した(注)。企業は国籍に関係なく、入札パネルに応募することができ、オーストラリア政府は日本のインフラ関連企業にも参加を呼び掛ける。

事業を行うのは、DFATが2019年7月に設立した、「太平洋諸島地域のためのオーストラリア・インフラ融資ファシリティ(AIFFP)」だ。AIFFPは今後、20億オーストラリア・ドル(約1,500億円、豪ドル、1豪ドル=約75円)の資金で、太平洋諸島および東ティモールのインフラ整備を支援する。対象となるインフラは、エネルギー、水道、通信、輸送の4分野で、入札パネルへの応募に当たっては、これらのうち少なくとも1分野で事業を行う能力があることを示す必要がある。

入札パネルの応募締め切りは2月5日となっている。今後、個別のインフラ整備案件が立ち上がると、案件ごとにFS調査や事業設計などを含む案件管理、工事請負の入札が行われる。その際、入札パネルに参加していれば、個別の案件ごとに提案依頼書を受け取り、入札に参加できる可能性がある。

オーストラリア政府は2016年から、「太平洋地域のステップアップ」を外交政策における最優先事項の1つに掲げてきた。2018年11月8日には、モリソン首相がステップアップの新政策の1つとしてAIFFPの設立を発表し、AIFFPを通じて重要なインフラ課題の解決に取り組み、同地域の経済発展と秩序の強化を支援する考えを示していた。また、同月に開催された日豪首脳会談では、安倍晋三首相とモリソン首相がAIFFPを含むステップアップ政策に関する協力の強化を表明していた。

(注)入札の詳細外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはウェブサイトを参照。また、本入札に関する問い合わせ先は、Tender-AIFFP-Infrastructure_Panel@dfat.gov.au外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとなる。

(山口あづ希)

(オーストラリア)

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