綿花生産が過去最高の51万トンに達する見通し

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年12月04日

コートジボワール綿繰り協会は11月20日、2019/2020年度(2019年5月~2020年4月)の綿花生産が過去最高の51万トンに達する見通しを発表した。11月20日にロイターが報じた。同協会のクリストフ・ンドリ事務局長によると、生産の増加は、良好な降雨条件の下で作付けが順調に進んだことに加えて、生産者に農業資材が十分に供給されたことに起因すると説明した。

コートジボワール政府は世界の綿花消費量が2,730万トンに増加する見通しに立ち、新年度の生産者買い上げ価格を1キロ当たり35CFAフラン引き上げ、300CFAフラン(約0.46ユーロ)に設定している。コートジボワールはアフリカ3位の綿花生産国で、2018/2019年度の生産量は46万9,000トン、繰り綿の輸出量は前年度比16.4%増の19万トンだった。輸出先は、バングラデシュ、インド、インドネシア、マレーシア、ベトナム、中国などアジア諸国向けが中心だ。

政府は、主要な輸出農産品で重要な外貨獲得源である綿花について、繊維産業振興策を導入し、栽培から紡績・織布、プリント工程まで、一貫した事業の促進に取り組んでいる。2012年から、既存農園の再植、投資誘致の促進、フリーゾーンの設立など、一連の措置に着手している。これにより、生産農家数が17%(10万3,336戸)、作付面積が24%、生産量が13%増加した。また政府は、現在25%の現地加工率を2025年までに50%に向上させることを目指している。

一方、同国の綿産業は、天候や国際市況の動向に左右されやすいことに加えて、先進国の(国内の綿花生産農家に対する)補助金や、中国から流入する安価な繊維製品との不正競争など、多くの問題に直面している。コートジボワール大手製造業組合(UGECI)のジャン・ルイス・メニュディエール組合長は「違法に流入する中国製品が、コートジボワールをはじめ地域の経済活動に影響を及ぼしている」と、懸念を表明した。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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