国会、「データ3法」改正によるビッグデータを活用した産業育成に期待

(韓国)

ソウル発

2020年01月17日

韓国国会は1月10日、1月9日に開催した第374次国会(臨時会)第2次本会議において、データ経済の活性化に直結する「個人情報保護法」「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」「信用情報の利用および保護に関する法律」のいわゆる「データ3法」の改正案を議決したと発表した。国会は、「データ3法」の改正により、ビッグデータを活用したスタートアップなどの産業育成が活性化し、公共・金融・医療など社会の各分野で、追加情報なしでは個人を特定できないよう仮名処理された情報を活用した、サービスの革新が始まるとの期待感を示した。また、これまで個人情報保護に関する法律が、各省庁の所管業務に合わせ多岐に分けられていたことによって発生した、重複する不要な規制を取り除く効果が生まれるとし、第4次産業革命時代に合わせ、個人と企業がデータを活用できる幅が拡大すると予測している。なお改正法は、公布後6カ月が経過した日から施行される。

改正案をみると、「データ3法」のメインとなる「個人情報保護法」では、現行法の個人情報の概念を個人情報・仮名情報・匿名情報に細分化し、仮名処理した上で、統計作成や科学的研究、公益的記録保存の目的で活用できるようになる。また、個人情報保護委員会を国務総理(首相)所属の中央行政機関とすることにより、個人情報保護業務の一元化を果たす。

「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」では、同法に規定された個人情報保護に関する条項が削除され、「個人情報保護法」に移管された。また、放送通信委員会の一部権限を放送通信委員会の所属機関長に委任できるようになった。

「信用情報の利用および保護に関する法律」では、ビッグデータの分析および利用の法的根拠を明確化し、本人信用情報管理業や専門個人信用評価業などを導入するとともに、個人信用情報の転送要求権、自動化評価に対する説明要求権など、金融分野における新しい個人情報の自己決定権を導入し、ビッグデータの分析・利用を活性化する。

一方、韓国の科学技術情報通信部は1月9日、データ活用にかかる個人情報処理者の責任の強化や安全措置義務の内容を具体的に規定し、課徴金を導入するなどデータ活用と個人情報保護の強化を図ると発表した。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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