ベトナム、新型コロナウイルスが輸出に影響

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年02月10日

ベトナムでは、新型コロナウイルスの感染拡大が同国の輸出に影響を与え始めている。商工省輸出入局は、現在は大きな影響はみられないとしつつも、メコンデルタ地域などで生産される農産物の中国向け輸出が落ち込んでいるという。また、中国の都市とベトナム各省間の貨物輸送にも一部影響が出ている。1月29、31日付「ダウトゥオンラインニュース」が報じた。

チャン・トゥアン・アイン商工相は1月30日、政府および首相に対して、「新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めつつ、ベトナム・中国間の貿易を維持する対応を検討する」としており、同省は報告書を作成し、首相に提出するという。2月3日付「トイチェオンラインニュース」によると、農業農村開発省と商工省は、農産物保護のための緊急会議を開催したもようだ。

現地日系企業からは、「ベトナム政府がマスク輸出を制限している」という声が聞かれている。保健省は1月30日、ウイルス感染予防設備(医療マスクや患者モニター、検査用化学剤などを含む)の製造・販売・輸出入企業に対し、公文書387/BYT-TB-Cで、利潤追求目的の販売や輸出をしないよう協力を求めた。同文書には、輸出制限との明確な記載はないが、保健省職員が各関係企業を訪問しており、輸出は実質に難しい状況となっているようだ。

(小林亜紀、ダンティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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