肺炎などで2人死亡するも、新型コロナウイルス感染は陰性

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年02月28日

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、インドネシア国内では感染者がいまだ確認されない状況が続いている。最近になって感染が疑われる2人が肺炎などで死亡したものの、死亡後に行った新型コロナウイルス検査の結果、2人とも陰性が確認された。一部の報道は検査結果の正確性に疑問を呈している。

報道によると、死亡したうちの1人は中部ジャワ州スマラン在住の37歳の男性で、2月12日までスペインとドバイに旅行していた。17日になって入院し、23日に死亡した。発熱と呼吸困難などの症状があり新型肺炎が疑われたが、死亡後の検査の結果、陰性が確認された。もう1人は、リアウ諸島州バタム島在住の61歳のシンガポール人男性で、22日に死亡した。この男性も新型肺炎の感染が疑われたが、死亡後の検査で陰性だった。

2月27日付「ジャカルタ・ポスト」紙によると、インドネシア保健省がこれまでに行ったウイルス検査は132件で、全てが陰性という結果だった。同紙は専門家の意見として、検体の冷蔵輸送や保管設備などが不十分な場合は、検査結果が正確に出ない可能性があることを伝えている。また、シンガポールやマレーシアが既に1,000件以上の検査を行っていることから、インドネシアも検査を増やすべきとした。

インドネシアに関しては、日本のクルーズ船乗員3人とシンガポール在住者1人の合計4人の感染が確認されているが、いずれも国外での感染にとどまっている。

(山城武伸)

(インドネシア)

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