ブカレスト地下鉄6号線の入札状況

(ルーマニア)

ブカレスト発

2020年02月03日

ルーマニアのブカレスト地下鉄の運営会社メトロレックスは2019年12月24日付で、ブカレストのアンリ・コアンダ国際空港とブカレスト市内を結ぶ地下鉄6号線(M6)に関わる4つの公共調達案件の詳細を公表した。このうち第1案件は、同区間の南側半分の「1マイ」駅~「トウキョウ」駅を結ぶ区間の設計および土木工事で、既に2019年3月15日に公示されて入札プロセスに入っている(2019年4月1日記事参照)。この区間は、ルーマニアに割り当てられたEU基金のうち、「大規模インフラ運用プログラム(POIM)」の予算とルーマニア国家予算の組み合わせによって実施される。

一方、残りの3案件は今後、2020年中の入札プロセスが予定されている(添付資料表1参照)。第2案件は、残りの北側半分の「トウキョウ」駅~「アンリ・コアンダ国際空港」駅を結ぶ区間の土木工事などに関わるもので、ここに国際協力機構(JICA)のODA予算が充当される見込みだ。第3案件は全区間の建物や線路、電気機械設備、配線などに関わる工事、第4案件は全区間の車両調達を含む交通安全および自動化システム構築など、とされている。

ルーマニアの入札方式は大別すると4種類あり、今回はそのうち2種類が採用されている。上記のうち、第1および第2案件については「制限付き入札」(いかなる事業者でも申請可能だが、その中から契約当局により選定された事業者のみ、次の応札プロセスに進むことができる2段階方式)、第3および第4案件については「公開入札」(いかなる事業者でも応札可能な1段階方式)で行われる。

前年から既に入札プロセスに入っている第1案件については、これまで10件の申請があり、この中から得点が高い6件が2次選考に進めることになっている(添付資料表2参照)。このうち、1のアクター連合(ギリシャ、ルーマニア)、6のアスタルディ連合(イタリア)の2件は、申請資格を満たさないとして、採点プロセス自体から除外された。このことを不服として1月6日、前者はブカレスト裁判所に、後者は国家控訴審議会(CNSC)にそれぞれ不服申し立てを行った。現在、これらの問題解決のため、入札プロセスは中断されている。

(水野桂輔)

(ルーマニア)

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