新型コロナウイルス感染拡大防止策を4月28日まで延長、人件費支援スキームの詳細公表

(オランダ)

アムステルダム発

2020年04月02日

オランダのルッテ首相は3月31日、現在実施している新型コロナウイルス感染拡大防止策(2020年3月17日記事2020年3月27日記事参照)を4月28日まで延長すると発表。4月29日以降については、その前週にどのような対策が必要かの評価を行うとした。

今回の発表はこれまでの感染防止措置の延長で、スポーツ施設や飲食店、チャイルドケアセンターなどの施設が4月28日まで閉鎖となる。学校は5月のスクール・ホリデーまで閉鎖し、イベントの開催中止も6月1日まで続く。今回の延長措置は感染拡大を抑制し、脆弱(ぜいじゃく)なグループの人々を保護し、医療専門家と病院が直面する苦境への対処を可能にするためのもの。

政府は、新型コロナウイルスの患者数の増加率は感染拡大防止措置が発表される前の数週間よりも低くなっているが、防止措置の見直し前に入院患者数が減少しているという明確なエビデンスが必要で、感染のリクスはまだ高いとし、国民に措置を順守することの重要性を訴えている。

また、3月31日には、持続的雇用のための一時的な緊急措置〔NOW;人件費支援スキーム]の詳細も発表された。3月17日に発表していた新型コロナウイルス感染拡大に対する企業支援策(2020年3月26日記事参照)の1つで、売上減少が20%以上の場合、従業員の賃金などを最大90%補助するもの。NOWでは最大3カ月分の賃金の補助請求ができるが、さらに3カ月延長することも可能(延長申請には追加の条件が適用される場合あり)。 3月1日以降の売上減少に対し補助請求が可能で、賃金に加えて従業員のためのその他の費用、例えば、年金保険料や従業員保険料、休暇手当などの補助請求もできる。新型コロナウイルス以外の原因で売上減少が発生した場合にも適用される。

この補助を受ける間は、経済的理由で従業員を解雇することはできず、最終的に少なくとも20%以上の売上減少があることが条件。具体的な補助率の事例は次のとおり。

  • 売上減少が100%の場合、賃金の90%。
  • 売上減少が50%の場合、賃金の45%。
  • 売上減少が25%の場合、賃金の22.5%。

オランダ労働者保険事業団(UWV)に申請し、補助見込み額の80%が前払いされる。実際の売上減少が確定した後に賃金の最終的な補助額が決定され、その際に修正もあり得る。

UWVは4月6日から申請を受け付け、要件を満たしている場合は2〜4週間以内に前払いが行われる。

(高橋由篤)

(オランダ)

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