移動・生産活動制限措置を5月3日まで延長、企業支援策を拡充

(イタリア)

ミラノ発

2020年04月14日

イタリア政府は4月11日、4月13日を期限としていた移動や商業・生産活動の制限措置を、5月3日まで延長することを発表した。一方、文房具店、書店、子供・新生児用の衣料品店の店舗再開、また林業の生産活動の稼働開始が新たに認められた。今後、イタリア政府がどのように社会・経済活動を再開していくのかが注目される。

企業向け支援措置の詳細を発表

イタリア経済開発省は4月10日、イタリア政府が4月8日に発表した新たな暫定措置令に関して、企業向けの支援措置に関する詳細を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。主な内容は以下のとおり。

1.中小企業向け保証ファンドの利用緩和

イタリア経済開発相が所管する「中小企業向け保証ファンド」(注)について、以下のとおり利用条件が緩和される。

  • コロナウイルスによって経済的打撃を受けたイタリアの生産システムの再稼働を支援すべく、債務保証額を1,000億ユーロまで拡大。加えて、これまでは申請可能な企業の従業員数の上限を249人としていたところ、499人未満まで拡大。
  • 制度の活用にかかる手続き面の負担を減らすため、2万5,000ユーロを上限として、売上の25%までの金額のローンについては信用審査なしで100%保証するなど、利便性を拡大。また、申請の窓口である銀行などは、通常は企業からの申請受付後に必要となる保証ファンドからの承認を得ずに融資の実行が可能。

2.税金の支払いを控除、繰り延べ

  • 消毒や衛生環境を保つための器具購入について、税額控除を認める(サージカルマスク、手袋、防護服などの個人用防護用品から、従業員を守るための防護パネル・バリアなどの設備導入も含む)。
  • イタリア国内に拠点を有し、売上高が5,000万ユーロを超えない企業で、かつ2020年3月および4月の売り上げが前会計年度の同月比で少なくとも33%減少した企業に対して、源泉徴収税や社会保険料、付加価値税(IVA)の4月および5月分の支払い延期を認める。

(注)「保証ファンド」は原則として金融を除く全ての産業において活用可能。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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