米カリフォルニア州、小売業などで一部経済活動再開

(米国)

サンフランシスコ発

2020年05月13日

米カリフォルニア州は5月8日、自宅退避令の内容を変更し、一部経済活動を再開PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

5月8日から事業を再開できる業種は、書店、玩具店、衣料品店、靴店、日用品・家具店、スポーツ用品店、生花店などの小売り〔カーブサイド・ピックアップ(注1)およびデリバリーでの営業のみ〕や同ビジネスに関連する製造業と物流業に限られる。

再開に先立ち、4月28日に同州は4段階の経済再開計画「再開へのロードマップ(Update on California’s Pandemic Roadmap)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表していたが、今回の措置はその第2段階に当たる。4段階の計画は次のとおり。

  • 第1段階: Safety and Preparedness(検査体制の確立、感染経路の特定、必要不可欠なビジネス活動実施)
  • 第2段階:Lower Risk Workplaces(低リスクなビジネス活動を再開)
  • 第3段階:Higher Risk Workplaces(高リスクなビジネス活動を再開)
  • 第4段階:End of Stay at Home Order(最終的な制限の緩和)

レストランでの店内飲食などは第2段階の後半に再開される予定。バー、ナイトクラブ、ネイルサロンなどは、高リスクなビジネス活動に分類され、再開はさらに先となる。

カリフォルニア州内では、地域によって経済再開の状況は異なる。南カリフォルニアのロサンゼルス市・郡では、州のビジネス再開の動きに歩調を合わせ、5月8日から段階的な再開に動いている(2020年5月8日記事参照)。北カリフォルニアのベイエリアでも、ソノマ、ソラノ、ナパの各郡では、それぞれ自宅退避命が修正され、5月8日から一部ビジネスの再開が可能になった。

5月31日まで屋内退避令(2020年5月1日記事参照)が発令されているサンフランシスコ市・郡は5月7日、新型コロナウイルスの感染者数が低下し続けた場合、早ければ5月18日から一部の小売業に対し、店舗前で商品を受け渡しする方法での営業を認めると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。対象は、書店や生花店、化粧品・美容品店など。一方、ベイエリアの中でも日系企業が集積するサンタクララ郡(注2)は5月7日、不要不急のビジネスによるカーブサイド・ピックアップ・サービスを認めない慎重な姿勢を示した。

同じく慎重な姿勢を示すアラメダ郡は、5月31日まで屋内退避令を延長しているが、同郡フリーモント市に生産工場を構えるテスラ(本社:カリフォルニア州パロアルト)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は5月9日、自身のツイッターで、屋内退避令により生産活動が制限されていることを理由に、アラメダ郡を訴えていることを明かした。また、「本社をカリフォルニア州からテキサス州またはネバダ州に移す」ともツイートした。

(注1)消費者がオンラインで注文した商品を実店舗の駐車場などで車から降りることなく受け取れるサービス。

(注2)ジェトロの「ベイエリア日系企業実態調査2018」によると、ベイエリアに所在する日系企業は913社で、そのうちサンタクララ郡に44.5%が所在している。

(石橋裕貴)

(米国)

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