バイデン前副大統領、テキサス州ヒューストンを訪れフロイド氏家族に弔意

(米国)

ヒューストン発

2020年06月09日

ジョー・バイデン前副大統領は6月8日、ヒューストンを訪れ、警官による暴行で死亡した黒人男性ジョージ・フロイド氏の家族と面談し弔意を伝えた。葬儀はヒューストン市内の教会で8日午後に一般向け、9日に親族ら関係者で行われる。バイデン氏は混乱をきたすことを避けるため、葬儀には参列せずビデオメッセージを送る。ヒューストンではフロイド氏殺害への抗議から、今月2日、ダウンタウンにてシルベスター・ターナー市長やアート・アゼベド・ヒューストン市警察署長を含む6万人によるデモ行進が行われた。

米大統領選挙に向け、バイデン氏による民主党代議員獲得数は6月8日現在で2,011人に上り、既に民主党候補指名に必要な過半数1,991人を確保している。バイデン氏は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が広がった3月以降、地元デラウェア州にとどまっていたが、6月2日にフィラデルフィアで演説を行い、そして今回ヒューストンを訪れた。バイデン氏のヒューストン訪問は3月2日の遊説以来。同日には州内ダラスにて、選挙戦からの撤退を表明した民主党候補のエイミー・クロブチャー上院議員やピート・ブティジェッジ氏らがバイデン氏への支持を表明し、翌3日のスーパーチューズデーでの飛躍につながった(2020年3月5日記事参照)。

テキサス州では1980年以降、共和党候補が連続勝利している。ただし、2000年のジョージ・W・ブッシュ候補以来、共和党候補は民主党候補に2桁ポイントの差で勝っていたが、前回2016年選挙ではドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏は9ポイント差だった。大統領選までまだ5カ月あるが、政治情報サイトのリアル・クリア・ポリティクスは4月10日から6月1日までのテキサス州での各世論調査結果の平均値として、トランプ大統領によるバイデン氏へのリードはわずか2.2ポイントとしており、また、直近のキニピアク大学の世論調査では1ポイントの差となっている。

大統領選でテキサス州に割り振られている選挙人の数は38人と、カリフォルニア州の55人に次ぎ2番目に多い。

(桜内政大)

(米国)

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